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 最近思うんだけど、昨今の復刻ブーム?のおかげで過去の名品や珍品に至るまで随分と色々なアイテムがその当時の姿で手に入るようになったよね?今は"POPEYE"の創刊号だって付録で手に入っちゃうんだから。神保町のヴィンテージ・マガジンショップ"マグニフ"のご主人が「ちょっと、複雑ですね~(苦笑)」ってさ。 
 だけど、こういう状況を昔は想像出来なかったよ。まァ、正直言うと時々ちょっとだけスベっているモノも無くはないけれど、LEVI'SやLee、CONVERSE、adidasなど、その道の達人の方が監修して「あーでも無い、こーでも無い・・う~ん・・ここんとこ違うなァ、ミリ単位のニュアンスなんだよ・・もっと、こうバタ臭くならない?全体的なトーンの問題なんだよ!分からないかなァ?」とか何とか、誰も理解出来ないような会話をしながら随分エネルギーを注いだんだろうねェ・・・だけど本当にスゴい事だと思うんだよ。 
 最近でもいちいち感心しながらボクも幾つか買っちゃったもんね。 

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 ところがね、ボクなんかはそう言ったモノがある程度手に入り、満たされ始めると段々と巷の復刻アイテムくらいでは飽き足らなくなっちゃうんだよね。 
 それこそ若い頃にアメ横で見た、今となっては復刻などまさか程遠く、まして誰も話題にしないような超ニッチなマイナーアイテムを時々思い出しては「あの時、さっさと買っておけば良かったんだよなァ・・結局、あれ一度きりの遭遇だったもんねェ。」とか「後輩とトレードしたりしなきゃ良かったんだよね・・今、有ったら絶対1ダースくらい買っちゃうもんなァ。」などとボヤいていたりするもんね。 
 ボクは本当に幾つになっても懲りないヤツだと思う。 
 つい先日も、センタービルが出来る前、81年のアメ横大火災で焼失したバラックのアメ横時代を一緒に過ごした40年来の先輩とそんな楽しい話しになったんだよね。 
「もしタイムマシンで、あのバラックの頃のアメ横に行けたら先輩は、まずどこに行きます?最初は、やっぱり"ミウラ"と"る~ふ"の並んでいたあの場所ですよね?先輩、何を買いますか?・・ところで、もし行けるとしたら先輩はお金を幾らくらい持って行きます?まだクレジットカードは使えないですからね・・・いっその事、ボクと一緒に行ってみましょうか?想像するだけで、絶対楽しいですよね・・・"ルーアン"(当時先輩が入り浸っていたアメ横の喫茶店)でボクの事を延々と説教したり、ぶったりいじめたりしないんだったら一緒に行ってあげてもいいですよ・・・(笑)」 

*注:ここから先は、全部フィクションです・・・  

「ところで先輩、本当に行くんだったら到着の日付はいつにしますか?」 
「そりゃァ、あの一番興奮するバラックの時代に決まってるだろ!」 
「いや、だから・・・あのね、日時を特定しなくちゃいけないんですよ・・・じゃァ、ここに有る「毎日グラフ」が、たまたま74年の12月号だから、このタイミングはどうですか?アメ横が年間で一番活気を帯びて来る時期だし、ボクがちょうど上京してアメ横に通い始めた年なんですよ。実際に当時も暮には間違い無く買い物に行っていましたしね。だけど、考えてみたらあの頃のアメ横はアイビーのムードがまだうっすらと残ってはいたけど、米軍の放出品は有るし、HANG TENやBOLT、KENNINGTONとかの西海岸ブランドも登場していたし、ニットのフレアパンツやロングポイントのシャツなんかが定着し始めて、それこそあれもこれも混じっていて、間違い無くちょっとヤンキーっぽいトラッドムードと共に新しい潮流を同時に体感出来た一番いい時ですよね?」 
「そうだったよなァ、いいねェ最高だね!色々思い出すよ・・じゃァ、そうセットしろ!」 
「先輩、滞在時間は午前11時から12時間ですからね!憶えておいて下さいよ。時間が勿体無いから、"ルーアン"に行っちゃダメですよ。それから歴史が変わっちゃいけないから当時の人達にはボク達が違うヒトに見えるようになっていますからね、だから昔の知り合いとか、よもや自分自身を見つけても変に接触して素性が分かるような会話をしちゃ絶対ダメですからね!」 
「分かったよ、だけど・・・たった12時間かよ?ちょっと、短くねェか?」 
「だって先輩が料金を値切り倒すからじゃないですか!」 
・・・・で、めでたく先輩とボクはタイムマシンに乗って懐かしい1974年12月のアメ横に行く事になった・・・ 

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「じゃァ、出発の乾杯と行きましょうよ!せーの、乾杯~♪ ところで、先輩はマジでそのKENNINGTONのセーターとデニムのフレアで行くんですか?まさかのシャツがロングポイントですよ!」 
「うるさいよ、お前は・・もっと先輩をリスペクトしろよ!」 
「あ、ミッキーのセーターがとってもステキですよ!特に沢山の毛玉が風格バッチリですもんね・・・それより先輩、ボクなんか、とっておきのLEVI'SのピケのGジャンに#646のコーデュロイ、シャツがケニントンの隠れミッキーなんですよ!」 
「お前こそ何だよ?世界一ダッセ~なァ!柄が小さ過ぎて何だか分かんねェじゃん、もっとミッキーがバ~ン!と入ったのにしろよ!そんなんじゃ全然アメ横の女子にウケねぇぞ!」 
「ちょっと、ちょっと、先輩!目的を変えないで下さいよォ・・・」 

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 かくして我々を乗せたタイムマシンは時空を超えて42年前のアメ横に降り立ったのだった・・・。 

「先輩、なかなかいいポイントに到着しましたよ。ほら"舶来品コーナー入口"がすぐでしょ。ここはかなり通な入口ですよね?入ってすぐ左に行くと"ミウラ"と"る~ふ"ですよ。真っ直ぐ突き当たってしまうと、そのままトイレに突撃ですもんね!」 
「ちょっと待て!違うんだよ、ここじゃねェんだよ!オレはいつも"ムラサキ・スポーツ"の脇から入るんだよ!"甘利"化粧品の折りたたみのパイプ椅子に座ったおネーちゃんが居る所で・・・」 
「もう、いいから入りましょう!わがままなんだからァ・・・」 

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 地図で見ると我々はちょうど鮮魚を扱う"関商店"と"伊藤商店"の間の通路の入口の所に居たんだよね。入って左に行くと、すぐ"ミウラ"と"る~ふ"。そしてすぐ角を右に行くと"マルビシ"が有るんだよね。(右側の矢印が"ムラサキ・スポーツ"の脇の入口) 

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「先輩、とうとう着きましたよ!"ミウラ"ですよ・・・そうそう、こんなでしたよね~!ボク、SMITH'Sのペインターをもう扱っているか聞いてみますよ、昔買いそびれた尾錠の付いているヤツ。あ、CONVERSEのスエードのサイズも有るかどうか聞いてみようっと!」 

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「お前、憶えてるか?この頃の"ミウラ"は、わざわざ出してもらったり、試着なんてしたら必ず買わなくちゃダメなんだぞ!」 
「分かってますよ・・・ダメなら未来に戻ってから誰かに譲りますから!ところでボク、PRO KEDSのメッシュの2本線のヤツを買い損ねたんですよ、ちょうどこの頃だと思うんですけど、前は"ハナカワ"で見たのかなァ・・どこかに無いですかね?あれのラインがグリーンのがカッコいいんですよォ!あ、それとMAVERICKってもうこの頃には入っているのかなァ?もし有ったら「赤ステ」(赤いステッチ)のシャンブレーのGジャンの大きいサイズとデニムのストレートが無いですかね?当時フレアしか買わなかったんですよ。Gジャンも小さくなっちゃって着られないし。あ、ウェスタンシャツも欲しいなァ・・・」 

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「ところで先輩は知らない間に"ミウラ"でこっそり何を買ったんですか?ちょっとその茶袋の中を見せて下さいよォ」 
「うるさいな、見せねェよ!」 
「あ~つ!何かシャンブレーのシャツが見えますよ!それ、WASHINGTON DEE CEE?それともELYか何かですか?綿100%のヤツ?それともT/Cのですか?」 
「うるさいってば!お前は自分の買い物をしてろ!これはなァ、洗うといい色になるんだよ」 
「"ミウラ"はKENNINGTONなんかも、確かこの頃からガンガン入り始めたんですよね!あ、懐かしいなァ・・天井の所にミッキーの「耳」キャップが有りますよ。昔、妹にアレ買って送ってあげたんですよ。ちょっとMAVERICKのGジャンとかパンツを爆買いしますか?あれ、先輩は・・」 
 気が付いたら先輩は、お隣の"る~ふ"に行っていた。 

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 "る~ふ"は、そうだ、そうだ・・こんなだった。間口は"ミウラ"より広いけど奥行はあんまり無かったんだよね。そして左に見えるガラスケースに羨望のお宝が並んでいたんだよ。 
 "る~ふ"にはまだ大人のアメトラムードが漂う本物アイテムも新しいモノに混じってガッチリ揃っていた。 

「おい、BOSTONIANが有るぞ。オレはあれを行くからお前は手を出すなよ!」 
「え~、どうして・・ボクもBOSTONIAN欲しいよォ・・・」 
「お前には100万年早いんだよ!大人しくBASSかSEBAGOにしろ」 
「え~・・・いいもん、別に・・BASSにするから・・・ちょうどサイズの大きいヤツが欲しかったし」 

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 BASSと言えば、やっぱり今だに復刻しないSCOTCH GRAINのペニーローファーが欲しいな。年齢と共に足のサイズが大きくなっちゃったから・・・今、履けるサイズのブラウンとブラックを買って行く事にするよ。それと、もしサイズが有ればBASSのバックルローファーも欲しいなァ。あ、そうそう、ブラックも有ったりしないかなァ・・・ 
 これは本当に大好きな靴だったからねェ・・フレアパンツにもバッチリ履けるデザインだったからスゴく重宝したんだよね。 

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「ところで、先輩は何をこそこそと物色してたんですか?あ~、もう買ってる・・・」 
「ペンギンだよ、こっちに少し有るぜ」 
「あ~ボクも欲しい~!ところでMUNSINGWEARは"る~ふ"に有ったけどIZODって、もうちょっと後でしたっけ?」 
「たぶん、来年か再来年の登場じゃねェか?」 
「そしたら、カラーペンギンも少し先ですね。あ、そうだボウリング・ペンギンがどこかに残ってませんかね?先輩、"丸高商店"か"林実業"に行きませんか?あ、その前に"る~ふ"でボクBARACUTAを何枚か買わなくちゃ。昔ながらのシルエットでサイズの大きいヤツ・・あ、水色も有るかなァ?」 
「また買うのかよ、バカだろ!お前、裏チェックなんかミーハーなんだから・・硬派のアメリカンはPETERSとかを着るんだよ!オレはこっちにするからな。」 

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「いいですよ、ミーハーで。21世紀にはPETERSなんて誰も知らないじゃないですか。」 
「うるさいな、分かったよ!・・・で、何だっけか?」 
「先輩!時間が勿体無いから"る~ふ"の向かいの"エッチ屋"(松下屋)で電動のお人形触ってちゃダメですよ~、そんなのは21世紀の方がはるかにスグレているんだから、それに手に持っているエロ本も棚に戻して下さいよォ・・・それより幻のボウリング・ペンギンの捜索しましょうよ。」 

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「ペンギンだったら、Pモンが"マルビシ"にねェか?」 
「そうだ、マンシングの立ち衿のウィンドブレーカーの今着られるLサイズのグリーンとかネイビーが欲しいんですよ!太っちゃって、Mサイズが小さくなっちゃったから・・"る~ふ"に無かったら"マルビシ"に有るかも知れないですね!」 
「だったら、その小さいヤツをオレにくれよ!あ、だけどカラシ色以外は要らねェからな・・」 
「どっちにしても、絶対にヤですよ・・・。じゃ、さっそくマル・ママに会いに行きましょう!元気ですかね?」 
「オレは、マル・パパの方が好きだったなァ・・・」 

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 今は、仮に昔のアメ横の話しになったとしても話題になる事は、ほとんど無いけれど"マルビシ"は、ほっそり系のパパとぽっちゃり系のママがやっていて、PXからの商品がガッチリ揃っている事で当時ウルサ型のマニア達には知れ渡っているお店だった。 
 時々息子さんだと思われるお兄さんにも遭遇したけど、ボクはママが好きだった。お店の奥には当時ガラスケースが有って、なぜかチャイナ服も一緒に売っているというアメ横らしいファンキーなお店だったんだよ。 

「やりましたね~!先輩、FREEMANのデザートブーツが有りますよ!オレ、ダブル、いや予備も含めてトリプル買いしますけど先輩も一緒に買いましょうよ!」 
「やっぱりプレスのパンツとか#646のデニムにはコレだよな!昔は6ハーフで履けたんだよ。だけど今回は7ハーフにするかァ、8かなァ・・履いてると足が痛くなるんだよ!ついでにHUSH PUPPYがその辺にねェか?」 
「じゃァ、ひょっとして少し前のBATES FLOATERSとかも残っているかも知れませんねェ。奥の方に残って無いかママに聞いてみますよ」 

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「おい、"マルビシ"と言えばBURLINGTONのソックス買わなきゃ!」 
「あ、そうだった!派手な色いっぱい選んで100年分買いましょう!ボク、箱ごと買いますよ!それとHANESやSPRUCEのTシャツも有りますよ、LサイズのリンガーとかポケTとかを何枚か買って行こうっと。先輩はTシャツは要らないですか?」 

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「一番ネックの伸びないJOCKEYのハイネックTが有るのは"る~ふ"だっけ?」 
「多分そうですけど、ちょっと今日は見てないですね。あ、先輩"玉美"に行けば絶対に有りますよ!後であっちに探しに行きましょうよ。JOCKEYも箱買いしますか?」 

 とにかく当時は、ヤンキー臭いアメリカンを気取るのにボタンダウンやシャンブレーのシャツの開けた襟元から覗くパチっと詰まったTシャツのネック部分の面積は絶対的に大事なポイントだった。ボクなんかJOCKEYと出会うまでは、ネックの伸びちゃったBVDとかVANのTシャツを前後逆に着たりもしていたよ。着心地が悪いから1日中気持ちが悪いんだけど、面積が大事だったからね・・・。 
 その点JOCKEYの"BO'SUN"と呼ばれる、ややハイネックのTシャツは古くなってボディがヨレヨレになって穴が開き始めてもネックは全く伸びないという革命的なアイテムだった。 

「ところで、そろそろお腹が減りませんか?遅い昼メシに、どこか行きましょうよ。だけど今日は"オレンジ"のカレーはやめましょうね、もっとガッツリ食いましょうよ・・・そうだ先輩、"まんぷく"に行きましょう!」 
「"まんぷく"かァ・・・いいねェ、久し振りに行くか。」 

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「ボク、メンチカツに目玉焼き乗せにしますけど、先輩はどうします?」 
「バ~カ!この店では、通はハムカツなんだよ!お前全然分かってねェなァ・・・何年通ってんだよ?」 
「40年以上ですけど・・・」 

 "まんぷく"は、バイト先に居たアメ横通の先輩に初めて連れて来てもらったのが、ちょうどこの74年だったんだけど、「ここでは、メンチが一番美味い!他は食うな!」と、その先輩から言われたので、実はとんかつは一度も食べた事が無いんだよね。 
 それである時なんか、おじさんから「うちはとんかつ屋なんだけど、あんたは、いつもメンチしか食べないねェ・・・歯でも悪いの?」って、言われた事が有るよ。(注:"まんぷく"は今年の春頃にとうとう閉店してしまったという信頼筋からの情報が最近有ったんだよ。本当ならマジ残念だと思う・・・メンチの食い納めをしたかったよ。)  

「ところで、この後どこに行きますか?そうそう"守屋商店"に行かないとマズいですよね?」 
「おゥ、そうだな。あそこはやっぱりスゴいよ、他では見た事が無いLEVI'Sのプレスとか有るんだよな。最初はさ、蒲田のガラス屋のセガレに守屋を教えてもらってさ・・・」 
「ボクも今着てるLEVI'SのホワイトピケのGジャンを初めて買ったのが、あそこだったですよ。じゃァ、ボチボチ行きますか?」 
「おい、何か、その辺りの店から聴こえて来るBGMが懐かしくねェか?」 

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「あ、ホントですね~!懐かしいなァ。でも、今ここでは一番新しいんじゃ無いですか?そう言えば去年、先輩のバンドが"ロコモーション"やりましたよね!じゃァ、今度は"まるきん"を左に見ながら"みのりや"の所から入りますか?入ってすぐ左に行くと"守屋商店"でしたよね。」 
「おい、"まるきん"の前の"博雅"の肉そばでも良かったな。確か、アグネス・ラムの親戚の家とかいう店だったっけ・・・」 
「ほらほら、先輩行きますよ~・・・着きましたよ!"守屋商店"こんなでしたよね・・・今日はオジさんが居ますよ。相変わらずジーパンに埋もれてますねェ・・・」 

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「ボクは、#518のプレスのホワイトの大きいサイズが欲しいんですよ!あ、あとLEEの#400のデニムも・・・#400はシルエットが細身でカッコ良くって大好きなんですよォ、ロゴも大文字でニョロ~のステッチが入っていないし・・あ、そうだ、先輩!金茶色とかのコーデュロイのブッシュパンツって、登場するのは来年くらいでしたっけ?」 
「多分1年か2年先じゃね?」 
「じゃァ今回先輩は、またLEVI'Sの必殺"縞ベル"(注:太い派手なストライプ柄のベルボトムの事)あたりを狙っちゃいますか?」 
「何だ、文句有んのかよ?お前はアレ穿く勇気が無いだろ?エレキ持ったらアレしかねェだろが、世界一カッコいいに決まってんだよ!」
「何だかゴールデンカップスみたいですね。そうだ、先輩・・来年の75年に発売されるan anで見たんですけど、LEVI'Sの#502は"守屋商店"より外の"ヒノヤ"の方が安いんですよ!1本3000円ですよ・・・未来に持って帰ればきっと100倍くらいの値段で売れるかも知れませんよねェ・・」 

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「おい、ところでアカネちゃんとこ(化粧品の"フクダヤ")はどっちだっけ?」 
「ここから"ツナシマ"の方に抜けて、先輩が好きだったメガネのおじさんの"大橋"(輸入菓子屋さん)を右に行くと例のタバコの自販機ですよ。」 
「そう言えば、ここの"ツナシマ"でアメリカの黄緑色した電動ミキサーを買ったんだよ、電動の人形じゃねェぞ。21世紀でもたまに家で使ってるんだよ、ちょっと音がウルさいんだけどな。」 
「先輩、スゴいですよ!ハイライトが80円だって!セブンスターだって100円・・・洋モクは、当時いくらでした?180円くらいでしたっけね?今、買ったヒトに教えてあげたいですよね、あと40年経つと1箱500円位になるから今のうちに身体中が黄色くなるくらい思い切り吸っておいた方がいいですよって。絶対に信じないでしょうけどねェ・・・ボク、KOOLのオールドパッケージをいっぱい買って行ってみんなのお土産にしますよ。そう言えば先輩、この頃メンソール吸うヤツはインポになるって都市伝説が有りましたよね?」 
「アハハ・・そうだったな、それでお前はどうなんだ?」 
「いや、無事だったみたいですけど、脳とか他の部分に来ちゃったみたいです・・・」 

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「お前は、アカネちゃんとこで何買うんだよ?」 
「先輩、シーブリーズの透明のボトルに入ってたヤツ憶えてますか?まだ液体の色が黄色くて透明じゃ無い時代の・・・何か匂いとか刺激が昔の方が明らかに強かったと思うんですよ。アレが有ったら欲しいんですよね。あ、それとまだドイツから輸入物の時代のセッチマ歯磨き、まとめて買いたいんですよ。アレ、舌の先っちょがビリビリするような強烈な歯磨きで1回でピッカピッカになったんだけど、サンスターがライセンス生産?するようになったら骨抜きにされちゃって、何だか普通の歯磨きになっちゃったんですよ。アカネちゃんが、毎日使うと3年くらいで歯が半分の大きさになるから週に1回にしときなよ・・・ってダミ声で冗談言ってたのが懐かしいですよ。ところで"ハナカワ"も覗きますか?掛布に似た番頭さん居るかなァ・・・あそこはやっぱりSEBAGOですよね、それとHANESとKEDSとか・・・ボク、KEDSのメッシュを聞いてみようっと・・・あれ?先輩どこに行くんですか?"ハナカワ"は見ないの?」 

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「おいPARISとかHICKOKのベルトってどこに売ってたっけ?」 
「確か、"マルビシ"の近くの"永山商店"とかあの辺りじゃ無かったでしたっけ?」 
「じゃァ、トンネル横丁の"丸高商店"でペンギンを見ながら、あっちに1回戻るか?オレ、PARISの先っちょを斜めにカットしたベルトの新しいのが欲しいんだよ・・・」 
「先輩、また同じのを買ってどうするんですか?」 
「お前に言われたくないよ!大体、ヒトの事言えんのかよ?」 

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「あ~っ!先輩、ヤバいですよ!"ミウラ"の所のシャッターの前にCAMP7のダウンベストを着た昔のボクが居ますよ!」 
「お~っ!ホントだ、お前細くて、ガリガリじゃん!」 
「メシも食わないで服を買ってましたからね・・・」 
「じゃァ、いい機会だからお前、自分の所に行って今日の晩飯代の資金相談をして来いよ。少し持ってねェか?って・・・せっかくだから美味いもの食おうぜ。」 
「ヤですよ~、そんなの。どうせ幾らも持って無いし。それに歴史が変わったらマズいじゃ無いですかァ。それより"玉美"の方に行きましょうよ。」 
「じゃァ、"ヤング"("中田商店"の前のウェスタン屋さん)の前の通路から入るか・・・」 
「先輩、ちょっと"根津商店"見ましょうよ!・・ほらァ、DICKIESのプレスのパンツがいっぱい有りますよ!コイツも買って行きますか?ここには、有名な店員が居ましたよね?あれ?今は、たぶんどこかにサボりに行ってるんですよ。」 
「あ~、あいつね。ヒトの格好を上から下までジ~っと値踏みしやがるんだよな・・・」 
「ここの白髪のオジさんはHANESの事を「ハンス」って呼ぶんですよね。ボク、ここで最初のTOP SIDERを買ったんですよ。あ、BVDのボタンダウンも買った事あるなァ、ロングポイントのヤツ・・・後で後悔したんだけど。」 

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「ところで、何眺めてるんだよ?」 
「これ見て下さいよ~!500円札。アカネちゃんとこでくれたお釣りですよ・・・21世紀に持って帰ろうかと思って・・・今のヤング達知らないですよ~こんなの。お金のヴィンテージだもんねェ、珍しがって1000円札と交換出来るかなァ?」 
「ウケねェよ!バカだなァ、お前は・・・500円は500円なんだよ。銀行に聞いてみろよ!」 

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「ところで先輩、"根津商店"の向かいの"加藤"憶えてますか?ここはLEVI'SとかLEEの古いヤツが時々有るんですけど、オヤジがいつ来ても必ず寝てましたよね・・・すみませ~ん、とか言って起こすと「何だよ、どれ?・・・買うの?」って真っ赤な目をして言うから怖いんですよォ・・・さ、先輩"玉美"ですよ。お向かいは"林実業"ですよね、懐かしいなァ・・・林のお姉さん、居ないかなァ?」 

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「ところで何だよ、そのサイコロみたいな箱は?」 
「だからJOCKEYのTシャツですよ。10枚入ってるんです。Lサイズを2箱買っちゃった・・・あれ?先輩は2枚でいいの?」 
「いいんだよオレは、今着てるのはヨーロッパのもっといいヤツよ・・・お前とは基本的に持ち物が違うんだよ!おい、宇佐美に行くぞ。」
「あ、懐かしいですね!オバちゃん元気ですかね?その辺のお菓子屋さんでアメでも買って差し入れしますか?きっとマケてくれますよ。場所はどこでしたっけ?・・・」 
「何か、"玉美"のもう一本向こうの角を左に入って、クネクネと行った所だよな?」 
「ボンヤリですけど、そんな記憶ですね。行ってみましょうよ!PULITANのセーターとか有ったら欲しいですよね?前にモヘアのVネックを見た事が有るんですよ・・・あの時買えば良かった。今ならサイズがちょうどなのに・・・」  

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 そして・・・そんなこんなで、手に持ちきれない程の大荷物になってしまった我々は残り時間を気にしながらようやく最後の晩餐とシャレ込む事になった。 

「先輩、何食います?やっぱり、あそこですか?・・・」 
「決まってるだろ!サッと行って祝杯を上げるぞ!」  

 そこで向かったのは、やっぱり"陽山道"。昔から焼き肉ならココだった・・・今でも思い出すのは、買ったばかりの#646のコーデュロイのホワイトにお箸からカルビがヒザの上に墜落し、魚拓のように「カルビ拓」になってしまった事だった。 
 お店のヒトに台所用洗剤を借りてトイレに行き、その場で#646を脱いで洗面台で洗った事が有ったんだよね。後からトイレに来たヒトがその景色見てビビって出てっちゃって・・・幸いにも何とかキレイになってくれたけど、一人で大騒ぎをしたよ。そして帰る頃にはコンロの熱のせいで#646は乾いていた。 

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「じゃ、お疲れ様ァ~・・・乾杯~!いやァ、先輩メチャクチャ楽しかったですね~!」 
「最高だよな!おい、肉ガンガン食おうぜ・・・」 
「じゃァ、先輩、希少部位の「座布団カルビ」食いましょうよ!アレ超美味いっすよね!21世紀には、どうしてだか、ここのお店のメニューから姿を消したんですけどね。」 

 そして適度に酔いも回り始め、誰にも止められない我々のアメ横よもやま話しは尽きる事が無く延々と続いたのであった。 

 かくして夜も更け始め、とうとう帰路に付く時間が近づいて来てしまった。 

「先輩・・・そろそろ21世紀に帰らなくちゃ、あ~寝てる!まだ壊れちゃダメですよォ、起きて下さいよ!」 
「うるせェんだよ、お前は・・・起きてるよ!・・・シメのラーメン頼んだか?」 
「シメのラーメンは21世紀に出来た"陽山道"広小路支店のメニューですよ、この時代には、まだ無いっすよ!あ、迎えに来ちゃったみたいですね・・・」 
「zzz・・・・・・」 
「あ~っ!先輩・・ヤバいっすよ。タイムマシンに荷物が全部乗らないみたい・・・どうします?靴の箱とか全部捨てても無理かも・・・ねェ、先輩!聞いてるの?」 
「zzz・・・・・・」 

「あ~、また寝てる~!」 

 珍道中のこの後の顛末はご想像にお任せ致します・・・ 


 【お詫び】 
 今回のブログは、日本中数えても、おそらく数名レベルしか理解出来ない内容になってしまいました。ゴメンナサイ・・・次回は、もっと分かりやすい内容のブログに致します。 


注:文中の地図等は、昭和50年12月発刊の月刊「angle」より引用させて頂きました。

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 前回のブログを読んでくれた友達から先日言われたんだよね。 
「どうせこの先も絶対着ないようなデッドストックがお前の手元にバラバラと有るんだったら、いっその事SEPTISの店頭に並べて売っちゃえばいいのに。」 
「ところがね、資料として幾つか残して有るモノは別にして、他には威張って売れるようなネタが、実はもうほとんど手元に残って無いんだよ。お前FARAHのタータンチェックのダブルニットのフレアとか欲しい?ゴールデンサイズの新品だよ!」 
「絶対、要らな~い・・だって、いつ穿くんだよ?」 
「でしょ?だけどさ、デッド物は今でも時々見つけて来ては少しずつ店頭に並べているのも有るよ。そんなにウルトラ・ヴィンテージじゃ無いけど。」 
「え?アメリカ製の#501は前に買ったけど、他にも何か有ったっけ?・・・」 
「あのさァ・・・ちゃんと、サイトで紹介しているんだけどさァ。見て無いの?」 
「え、どこに?」 
 まァ・・こんなものだよねェ。せっかくうちのスタッフが一生懸命サイトにアップしたりブログで紹介したりしているのにね、全然見ていないんだから・・・ 
 だけど良い機会だから、一度このブログでザラッと一同に集めて順番に紹介してみるかね。 
 但しあくまで"ちょっとだけヴィンテージ"レベルだからね。そんなにスゴくヴィンテージじゃ無い(単なる売れ残りのB級アイテムだというウワサも有るけど・・・)と思うし、ましてや入手困難なデッドストックって言っても、投資の対象なんかには成り得ないと思うよ。  

【注:ただし、在庫に関してはサイト内のデータを見て頂くか、もしくはまだ掲載されていないアイテムは、ご面倒ですが店舗宛に直接お問い合わせ下さい。】 

 最初はご存知ALPHA INDUSTRIESのフライトジャケットだよ。 

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 これは、MADE IN U.S.Aの#MA-1だけど、そんなに古いモノでは無くて90年代の初頭くらいのヤツね。(¥24840) 


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 そして上のモノは93年頃に発売されたアメリカ製、ALPHAのヴィンテージ・コレクションの#MA-1だよ。ライニングがレスキューオレンジじゃ無い分、スタイリングにもカラーの制約を受けないけれど逆にディテールが更に「ガチ」になっちゃうんだよね。 
 やっぱりモードミックスというよりは、「ド」アメカジにはなるだろうけど、やっぱりアメリカンを気取るのなら絶対カッコいいと思うよ。(¥29916) 


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 次も同じくALPHAの#L2-Bのヴィンテージモデル。こちらも上の#MA-1 VINTAGEと同時期に発売されたアメリカ製、ヴィンテージ・コレクションで#MA-1よりは、やや細身なんだけど何だかんだ言って結構ボクのお気に入りで、目撃した方も居ると思うけれど毎シーズン引っ張り出しては会社に置きっぱなしになっていて作業用アウターとして時々ボクが着ているモノと同じモノなんだよ。(¥29916) 


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 次は通称「ジャングル・ファティーグ」と呼ばれるベトナム戦争中の米軍BDUジャケットね、実は個人的に大好きなアイテムでここ何年もずっとデッドストックを探して居たんだけど、ようやく見つける事が出来たんだよ。 
 68年製のコットンのリップストップ素材で、詳しいヒトから確か一番人気が有る3rdモデルだって教えてもらったような気がする。 
 アメ横に勤め出した頃は、まだベトナム戦が終結して間もない頃だったから、近くの中田商店や他の放出品を扱うお店にもこのジャングル・ファティーグは驚くほど安値で積み上げて有ったんだけどね。今はさすがに超希少品になっちゃった。(¥17820 サイズはXS/SHORT S/SHORT S/REG. M/REG.) 


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 そして完成度の高さでは20世紀の名品と言われる(業界内のウルさい連中が言っているだけなんだけどね)69年製のベトナム戦用米軍リップストップ・カーゴパンツ。最近は本当にデッドストック状態で見つかる事がほとんど無くて、(中古ですら稀にオファーが来てもスゴく価格が高いんだよ。)今回ようやくデッド状態で少量入手出来た。こういうアイテムは、どんどん貴重品になって行っちゃうよね。(¥19440 サイズはSMALL/REG.のみ) 


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 次は、そんなに古くは無いけれど98年製のデッドストック、U.S NAVYのシャンブレー・ユニフォームシャツ。このポリエステル混紡の素材は散々着倒して行くと、どんどん白っぽくなって良い味になって行くんだけど、ボク個人的にはとても気に入っているんだよ。今までに何着くらい買ったのかなァ・・・(¥3996 サイズはMのみ) 


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 15年程前に、あのベッカムが好んで良く着ていた事も有って「ベッカム・ヘンリー」などと呼ばれていた事もあったけれど、WOOL50%×COTTON50%素材のU.S ARMYの長袖ヘンリーネックTシャツ。 
 サイズはSでも結構大きめなんだよ。注意してね・・・画像のモノは76年製だけど、この70年代製というのがなかなか出て来ないんだよね。袖口のダルダルしたユルさが結構クセになるアイテムなんだよ。(¥3996 サイズ Sのみ) 


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 コレ、いつ頃の製造だか分からないんだけど、米軍の長袖サーマルクルーネックTシャツ。とっても人気が高いアイテムなんだけど、近年はアメリカ製じゃ無いのが混在する事も多くてなかなかピックアップも難しくてねェ、今後はどうしようかなァ・・と思っているんだけどね。 
 サイズはMなんだけど、ちょっと小さめで、Sくらいの感覚かな。(¥2916 サイズ Mのみ) 


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 大西洋を超えてイタリアからは、俗に言うイタリアン・トレーナー。 
 その昔は、あのSUPERGAがイタリア空軍向けに、このトレーニングシューズの国内生産を行っていたという未確認情報があるんだけど、そこら辺に付いてはボクあんまり詳しく無いんだよね。(AERONAUTICA MILITAREというのはイタリア空軍の事だというのは以前教えてもらった事が有るよ。) 
 だけど確かに現在もこれとそっくりなSUPERGAが有るもんね。かなり細身の木型なんだけどカッコいいよ、コレは・・・。ボクはヒモをホワイトに取り替えて履くのが好きだなァ。(¥5940 サイズ 42 44 45) 


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 お次は、ちょっと軍モノを離れて・・そう!伝説?のIZOD LACOSTEだよ。懐かしいねェ・・これはアメリカ製IZOD LACOSTEの最終型、ボクの記憶では86年が最後だったと思うんだけど、その時のタグだね。という事はもう30年前かァ・・・(¥17820 【WHITE サイズ S M L】【KHAKI サイズ Mのみ】)本当に、少量しか今回は確保出来なかったんだけど。 



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 今度は、ちょっと趣を変えて来シーズンのデッドストック候補の紹介ね。もちろんこれは、現行品、LEVI'SのVINTAGE CLOTHING(LVC)の復刻 #606 SUPER SLIMSで、現在は大イバリのアメリカ製なんだよね。 
 ところが次のシーズンよりアメリカ製では無くなるという事が既に判明しているからボクもそろそろ自分のモノはちゃんと確保しなくちゃと思っているんだよ。私見だけど、やっぱりMADE IN U.S.Aって、とても大切なファクターだったりするもんね。(¥22248) 


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 このチノパンは、1950年代製のオーストラリア軍のデッドストックなんだよ。2タックフロントのワイドシルエットという実にポイントの高いデザインは、まさに「待ってました!」っていう感じだよね。 
 ベルトレスでサイドのアジャスターというディテールもここ何年かお目にかかっていなかったから、今見ると結構新鮮なディテールに思えるもんね。ビッグシルエットのTシャツやSt.JAMESの半袖ボーダーなんかを着ると、コレがねェ・・すごくオシャレなんだよ。ワラチサンダルを合わせたりしてね・・・相当に、カッコいいよ。(¥11880) 


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 90年代後半頃に閉鎖が決まってしまったLEVI'Sのバレンシア工場で最後に生産されたアメリカ製の#501・・・説明不要の基本だよね。左からSTONE WASH、ONE WASH、そしてRIGID、もうかなり残りが少なくなっちゃった。(¥16200) 


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 この永遠の定番、LEVI'Sのホワイトジーンズは、コットンツイル素材(いわゆるカツラギね)のスリムフィット#800だよ。コレはシルエットもキレイで個人的には細かい部分までとっても良く出来ている復刻だと思っているんだよね。と、思ったらMADE IN JAPANのスグレものだもんね。いつ頃の生産なのかちょっと分からないんだけど90年代くらいなのかなァ・・・白タブがちゃんとキャピタルE(大文字)になっているのが、やっぱり嬉しいじゃない?(¥14040) 


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 ちょっと変わり種をご紹介するね。日本の誇るCASIOのデッドストックなんだよ、ボクは全然時計には詳しくは無いんだけど、聞くところによると90年代のEXPORT(輸出)仕様なんだそうだよ。 
 これから暑くなって腕を出す機会も増えるし、当然リストウォッチも気になるよね?勿論ROLEXもカッコいいのは当たり前だけど、時にはこんなヌケ感もきっと楽しいよ。(左から ¥10584  真ん中 ¥9180  右 ¥8424) 


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 90年代の終わり頃だったかにリーバイスジャパンが復刻したアメリカ製のセカンドモデルジャケットも随分残り少なくなっちゃったけれど、細かいディテールまでとても良く出来ている復刻版だと思うんだよね。 
 だから在庫が有るうちにボクお得意の、もう1着・・と思ったら、社員から「もう残りの在庫がほとんど無いですから、社員買いは禁止です。もちろん社長買いもです・・・」だってさ。ありゃァ・・・(¥30780) 


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 こちらは、サードモデルジャケットだけど、これも良く出来ていてスゴくカッコいい。ボクは70年代のモノをまだ時々着ているけれど、ホワイトジーンズやカーキのチノパンにはこのデザインの方が相性が良いよ。 
 ところで、この時の復刻版に使用されたデニム素材は、ちょっと毛羽立っている表情なんだけど、そこが個人的にはとても気に入っているんだよね。(¥30780) 


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 数年前に絶滅種認定となってしまったハワイ製のレインスプーナーもさすがに残りも少なくなって来て、ボクのアタマの中でも「いつまでも、有ると思うなよ・・財布の中の1万円札とレインのハワイ製・・・」と言う悪魔のささやきが聞こえ始めているんだよね。(笑)そろそろ老後の為に気に入った柄を何枚か押さえなくちゃと思っているんだよ。(半袖 ¥17064  長袖 ¥19224) 


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 ご存知マクレガーのアメリカ製ドリズラージャケットは、何年か前に結局1回だけの生産で終了してしまったからおそらく絶滅種候補だと思うんだよね。 
 またチャンスが有れば是非企画はしたいと思っているんだけど要するに実現させるのには値段がとっても高くなっちゃうんだよ。(¥29916 ダークレッド ネイビー ブラック の3色) 


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 ちょっと懐かしいタグでしょう?って、分かるヒト居ないか。アメリカ製HANESのPRINTABLEだよ。品番は#5100だったっけかな?忘れたけれど・・・ちょうどボクがまだアメ横に居た80年頃のモノだね。当時はプリント用のボディとしても良く使っていたんだよ。(¥3996 サイズ、Mのみ) 


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 あんまり古くも無いけれど、コレはフランス軍のウッドランド・カモフラージュ・ブッシュハット。こいつはボク個人的にお気に入りの結構スグレモノで、素材はコットン100%のヘリンボーン。そして左右にベンチレート・アイレットが有るから真夏でも余りムレずに使えるし、汗をかいても洗濯機でザブザブ洗えるからね・・・洗って乾いた時のカサッとした生地感がとても気に入っているんだよ。(¥3996 サイズ59センチ) 


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 現在でも相変わらずコアなファンの多いチャンピオンプロダクツのTシャツは、コレいつ頃のモノだっけかねェ・・ちょうどボクがアメリカに居てバイイングをやっていた頃にこのタグだったと思うから、多分80年代の終わり頃じゃ無かったかと思うんだけれど、違ったかな?(¥5940 済みません、すごく少量です・・・) 


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 そして最後に、一昨年復刻別注したMADE IN FRANCEのラコステ#1212・・随分意地になって集めたんだけど、さすがにもう残りが少なくなって来たんだよ。 
 ずっとこの先も当店の定番として継続したかったのだけどLACOSTEの代理店さんの方からは「もうこの企画は2度とやりません!」って言われちゃったからねェ・・・とっても残念だけど、とうとう絶滅種になってしまったみたい。(¥17280) 

 まァ、いざ並べて見ると色々と変なモノも含めて集まって居たんだね・・ブログのタイトルを「超B級ヴィンテージだよ!」に変更したくなって来た・・・



第124回「大人買いの功罪」

 先日、そろそろ入梅だからね・・なんて思って、お休みの日にワードローブの奥の方にあるケースをようやく引っぱり出してあれこれ中身を整理したんだよ。一番奥に有って出すのが面倒だったからずっと何年か押し込んだままだったんだけど今回こそ、サイズの合わないTシャツとか、食べこぼしのシミが落ちないポロシャツとか、調子に乗ってズタズタにカットオフしちゃったスウェットだとかを処分しようと思ってさ。ウェストが留まらないショーツも何本か有ったよ。で、結局半分以上はゴミになった。 
 いつか着るかも知れないもんね・・・なんて思って、ずっと捨てないで持っていても最終的にはこんなもんだよ。もう何年こういう事をやっているんだろうかねェ・・・ 
 そしたら、その中に買うだけ買って着ていないTシャツも何枚か有ってその中の1枚、こんなのが出て来たんだよね、完全に忘れていたよ。いやァ、DARTMOUTHだって、懐かしいねェ、かなりアイビーだよ・・・スゴいや。ブランドも"COLLEGIATE PACIFIC"だもんね。 
 
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 コレはね、ちょっと曖昧だけど多分上京して来た頃にアメ横で同じモノを2枚買ったんだよ。一目見て余りに気に入り過ぎて恐らくガンガン着ると思うから、ダメになった時の予備としてね。それにせっかく見つけた超お気に入りを他の誰かが買っちゃうのも何だかシャクだし・・・なんて思ってさ。 
 で、確かに最初の1枚は2~3年ほど着倒して見事にゴミになったよ。ところが何年か後の肝心な時に予備で買っておいたつもりのコイツが見つからず、そのまま存在自体を忘れ去られて、きっと今になっちゃったんだよね。(多分アメリカに引っ越す時に洋服をいっぱい実家に送ったのだけど、一緒になっちゃっていてそれから暫くは実家に眠っていたというウワサだ・・) 
 だけど、今回発見して喜んだのも束の間で今見たらサイズが小さいの・・当時は着丈こそ洗って縮んじゃったけど、なかなか良いカンジだったのにね・・・こりゃァ、多少痩せても多分無理だろうなァ。 
 残念・・多分あの時Lサイズも有ったのにねェ。そっちを買っておけば良かったよ。って、もう40年以上も前の話しだけどね。ダメ元で、一度横に引っ張って着てみるかねェ・・・ 
 実は若い頃から、時々そういう買い方をして来たので今でも新品のままナチュラルにデッドストック状態になってしまったモノが自分の手元に幾つか有るんだよ。 
 確かに「やったァ!買っておいて大正解!良かったよねェ・・、今じゃ手に入らないもんね!」なんていう瞬間も有ったけれど、反対にファッションそのものの流れが変わっちゃって、どう考えても今登場させたところでFARAHのチェックのフレアパンツのような「今さら、おバカ」でしょう!みたいなアイテムは案の定そのまま残っているし、そもそも太っちゃってサイズが変わっちゃったから、新品のまま着られなくなったモノも有るしね。本当に得したのか損したのかが分からないね・・・いや、多分かなり損をしてるよ。 
 だけどね、基本的にモノが少なかった70年代頃は買って何年か経つと友達とあれこれトレードする時にかなり有効な「飛び道具」として威力を発揮したのは間違い無いかも知れないね。CONVERSEのブラックパッチだとか、廃番になったDECK STAR、旧タグのIZOD LACOSTE、そしてIKE BEHARの筆記体タグだとか、守屋商店で結構買い込んだLEVI'Sの#502だとかね。あ、大文字のMAVERICKも何本か有ったなァ・・・勿論BARACUTAも。 
 大体が、毎日アメ横に居ると、廃番になった・・とか、タグが変わった、ジッパーが変わった、生地が変わった、などと言っては、じゃァもう1点自分のをまずは押さえて置くかァ・・みたいな事ばかり考えて居たからね。 
 それにアメ横はそれこそ服好きなヤツばかりが集まっているから、トレードなんてしょっちゅうでボクも買いそびれた欲しいモノが有ると友達に 
「ねェねェ、こないだ着てたMAVERICKのコーデュロイのGジャン、アレ出さない?」
「え~?結構、アレ気に入ってるんだよ・・だけどお前、何か出す?そろそろ隠して無いで「だっちゃん」出しなよ、#502出る?」 
「う~ん・・だけど、#502出すんだったら何かもう一つ何か付けてよ」 
なんてやっていた。 
【注:当時、浅草や千住辺りから来ている連中は「とっておきのモノ」という意味で「だっちゃん」という言い方を良く使っていたんだよ。最近は耳にしないけど今でも浅草辺りでは言ったりするのかなァ?】 
 そして結構珍しいアイテムもトレードによって手に入れた事も有るけれど、逆に交換しちゃってから後で悔やむ事になったモノも割りと有ったもんね。 
 一度などは、一旦後輩とのトレードに出してしまったJOHNSTON & MURPHYのブーツを取り返す為に確か「だっちゃん」のSCHOTTのレザーを出した事が有ったよ。一体何やってんだかねェ・・・。 
 最近は複数買いの事を「大人買い」と言うみたいだけど、アメ横に居た当時ボク達は「ダブル買い」とか「トリプル買い」などと言っていたんだよね。で、4つ買う時は「4点買い」・・急に日本語になっちゃうんだけどね。 
 そもそもボクの、気に入ってしまったモノはついつい複数購入をしてしまうという、いけない習慣はいつ頃から始まったかと言うと、おそらく中学の時のVANショップでの母親の買い方が事の発端だったと思うんだよ。 
 中学生の時には生徒手帳に「通学靴は白ひもズック靴に限る」と定義して有って、ある時からボクはVANのRUDDERのホワイトを履いて行くようになったんだよ。ボタンダウンシャツは生活指導の先生に見つかると怒られるから学ランの下にこっそりと着るしか無かったんだけど、RUDDERのホワイトは大威張りでOKだった。ヒールパッチに国際信号旗でVANって描かれたプリントが入っているヤツ。 

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 そんな事が有って、ある時に母親が「どうせ、すぐボロボロにするんやから、まとめて買うか?」言いながら800円か900円のラダーをホワイトばかり3足買ったんだよね。「そうか、そういう風に買うのか・・」思った。で、確かにベリー・ナイスなアイデアだった。 
 その後、高校生になった時にはさすがに恥ずかしいから一人で買い物に行くようになったんだけど、ある時にVANのラグラン袖のボタンダウンプルオーバーを見つけたんだよね。  
 今考えれば、KENNINGTONとかPENDLETONあたりのパクリだったと思うんだけど、そんなシャツの存在すら知らなかったしVANショップのお兄さんだって、自分は初めて見たかも?なんて言うから 
 「確かに、これは見た事が無いよ、スゴい気に入ったもんね!・・・今まで着ているヤツ見た事無いし・・・」 
 で、買う予定だったレコードか何かを諦めて色違いで3枚程買って帰ったんだよ。(その後もラグランプルオーバーは、ギンガムチェックとかを再び買いに行ったくらい気に入ってしまったんだよね) 
 そしてその後、そのラグラン袖のボタンダウンは見事に市場から姿を消し(と、ボクがそう思っただけかも?)ボクは友達から聞かれもしないのに、肩の辺りを指差して説明しながら得意になって着回しているというイヤなヤツに時々なっていた。そして確かに2枚は友達の手に渡った。 
 そう言えば"TAKE IVY"も同様で保存用に1冊買い、そしてもう1冊を毎日カバンに入れて持ち歩いていたから最後にはページがバラバラになっちゃってね、輪ゴムとかで縛っていたもん。今、良くブログに登場させるボクの"TAKE IVY"はその時の保存用で買った方なんだもんね。 
 で、最近「大人買い」は止めたかって?懲りずに、まだやっているよ・・・通勤の自転者に乗るために、前から欲しかった手の甲の部分にインスタント・カイロを入れられるというMUNSINGWEARのハイテクなミトン・グローブを「ダブル買い」したんだよね、柄だってボクの好きなカッコいいWOODLANDのカモフラ柄なんだよ。 
 昔から仲良しのMUNSINGWEARのチーフ・デザイナーの方に「去年は無かった、このカモフラ柄は今季の限定スポットカラーで来季は、また別の柄にしますから・・」言われてさ・・・。 
 そんな事言われたら、絶対「ダブル」で買っちゃうじゃんねェ。

第123回「納得いくまで・・」

 昔からシャツというアイテムが、かなり好きなんだよね。特に一番好きで長年着ているボタンダウンシャツに付いては自分なりのコダワリだとか美学と言うか、各ディテールに対して理想が随分以前からハッキリと有ったんだけど、いざオリジナルとして作るとなると生地の買い付けロットや生産数量、そして日本製でという条件だったからそれに伴う生産工賃等の問題で実現するまでにとても時間が掛かり、ようやく最近少しずつ作れるようになったんだよね。  
 だけど当初から一番のハードルというのが、実は工場の縫製技術レベルの問題だったんだよ。実際にボクが描いた試作サンプルの仕様書を見た途端に2軒の工場さんからたて続けに辞退され今の工場さん・・実は3軒目だからね。 
 そんな紆余曲折の末にいざ出来上がってみれば、もちろん自分の思い込みで作ったボタンダウンだから当然と言えば当然だけどスゴく気に入って着ているよ。全然文句無いもんね・・って、オーダーメイドみたいなもんだから、当たり前か。 
 ただ、正直なところ幾らボタンダウンがアメリカンスタイルのベーシック・スタンダードだとは言っても、あまり毎日お米のゴハンを食べていると時にチャーハンにしたり、はたまたトーストやパスタが食べたくなったりするように、違う衿型のシャツも時々着たくなる時が有るよね? 
 まァ、実際メンズシャツにはボタンダウン以外にもレギュラーカラーやワイドスプレッド、バンドカラーやタブカラー、ワンナップカラー等様々な衿型が存在するのだけど、ボクは自分の好きな格好が基本的にアメカジなので、ドレスっぽいのもダメだし、そうかと言って基本型だと言われるレギュラーカラーは余りに特徴が無いというか、どうしても物足りなさを感じてしまうんだよね。だから、どうしても自分のテイストを主張するだとか、コダワリを表現するためにボクがボタンダウンの次に好きで良く選ぶ衿型はやっぱりラウンドカラーが多くなるのかなァ。 
 あ、前々回にブログに書いたウェスタンシャツやワークシャツなんかは、レギュラーカラーだけど特別ね。ウェスタンシャツやワークシャツに対するコダワリは衿の形では無くてフラップポケットやヨーク、スナップボタン等のディテールが主張部分だから。要するにボクは、あまりディテールに特徴が無いシンプルなシャツが好きじゃないという事だと思うんだよ。 
 ボクが一番最初に着たラウンドカラーのシャツ、実はちょっと異端児だけどKENTのピンホールカラーだったんだよね。(分かるかなァ?画像のような衿型だよ、きっと最近はほとんど見ないよね?) 

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 画像よりも、もっと細い2インチくらいの細身のニットやレジメンタルのタイのノットをもっと小さく結び、そして上手にディンプルを作ってカラーピンを刺し込んで持ち上げて締め上げるとカッコいいんだよ。当時ボクは、まだ高校生のクセにネイビーブレザーやナローラペルのグレーのアイビースーツにピンホールを合わせて着たりしていた。 
 ところがこのピンホールカラー、気が付いたらその頃繁華街に群れて居たリーゼントのヤンキーっぽいヤンチャなお兄さん達が好んで着ていたコンポラスーツ(これも、みんな分かるかな?説明すると長くなるからネットで検索してみてね)に合わせて着ている事が多かったんだよね。 
 玉虫と呼んでいた生地(これも知らないだろうなァ・・玉虫みたいな不思議な光沢の有る生地で、それを使ってコンポラをオーダーするのが、その頃のお兄さん達のオシャレだったんだよ。)のコンポラと共地の細身のタイを同じテーラーにわざわざ作ってもらって締めたりしていてね。 
 だからピンホールシャツを着ていて繁華街で睨まれたりするのもおっかないから途中でボクはタイもピンも付けないカジュアルシャツとしてVネックのセーターに合わせたりしていたんだよ、時々アスコットスカーフをしたりしてね。そしたら学校で友達から、女のコのブラウスの衿みたいだと言われたから結局着るのをやめた事を思い出した。 
 それから随分時間が経って、その次にラウンドカラーを着たのはアメ横に居た頃で、プレッピーの時代ど真ん中の頃に入荷して来たのが、まだアメリカ製だったPOLO BOYS(HOLBROOKというシャツメーカーが生産していたんだよ)のオックスフォード素材のシャツでね、ボタンダウンとラウンドカラーが有ったんだよ。そのラウンドカラーを確か2色か3色買ってフェアアイルのボタンヴェストなんかに合わせて着たり、IZOD LACOSTEのポロシャツの上に重ねて着たり(そんな着方も流行った事が有ったねェ・・確か雑誌"POPEYE"が流行らせたんだよ)と、かなり気に入っていた。 
 その後も、見ると欲しくなるからラウンドカラーのシャツも気が付いたら何だかワードローブに増殖していた。 

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 まァ、そんな事も有って今までにもオリジナルとしてラウンドカラーは何度か試しに作った事は有るんだけど、今回は思い切ってLACOSTEのポロシャツのように真夏にも着られるような自分が納得いくラウンドカラーの半袖プルオーバーシャツを作ろうと思ったんだよね。 
 で、「こんなややこしいシャツは、今まで作った事が有りませんし・・」と言う及び腰の工場さんを説き伏せて試作を繰り返し、ようやく、まず自分が着たい・・と思い描いていた通りのシャツが出来上がったんだよね。思う存分凝りまくった・・と言うか、ああなっていて欲しい、ここはこうでなくちゃ・・などと半分意地になってディテールを具体的に追い込んで行ったら、ちょっと他では見ないようなシャツになっちゃった。 
 だけど苦労した甲斐が有って、スゴくカッコいいと思うんだよね。それに真夏に相応しいようなキュートなプリント柄も今年はいっぱい用意出来たし。  

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 うちのオリジナルお得意のプルオーバーは、やはりプラケットが浅目の3ボタンフロントで、個人的には60年代っぽいクラシックなショートプラケットが昔から絶対カッコいいと思っているんだよ。ポケットはやっぱりペンスロット付きのフラップ付きに限るよね。iPodや小さいスマホ入れても落ちないし・・・イヤホンをスロットホールに通せるし。 
 そしてカジュアルに着用する事を前提としているので、トップボタンを開けた際に余り広がり過ぎないように少し小さめの衿にしてみたんだよね。因みに今回入荷分の生地の一部にはカリフォルニアのROBERT KAUFMANのオックスフォードを使用してみたよ。勿論お約束の台衿部分のキルトステッチは忘れていないからね。  

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 実はこの衿の裏側にボタンホールが切って有って、ブラインド・ボタンダウンという仕様にして有るんだよね。随分昔に友達の古着屋さんで見たLEVI'Sだったかな?のワークシャツの仕様を記憶していて再現してみたんだよ。(上の画像、左側が衿のボタンを留めた状態で右側が外した状態)  

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 この複雑な襟元の仕様を見事に実現したのが今回の工場さんの腕の見せ所だった。このチンストラップのカーブの付け方が事のほか難しいんだよね。(と、言うか嫌がるんだよ・・)   

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 そして柄物だと分かりやすいんだけど、背中上部のセンターはスプリットヨークと言う仕様で「あくまで「出来る限り」の左右対称の"柄合わせ"」をお願いしているんだよね。(大柄のマドラスチェックだとか不規則なプリント柄なんかは当然限界が有るから困難だけど)そして右側がプラケットやパッチアンドフラップポケットの柄合わせ・・・(ただし、あくまで手作業だし、少しズレちゃう時も有るよ。"出来る限り"だからね)もちろんお約束のバックボタン、そしてハンガーループは無いとやっぱり物足りないよね。  

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 そして上の画像左側を見てもらうと分かると思うんだけど、ヨーク部分の柄をタテ・ヨコ真っ直ぐに取る(無地の場合もやり方は同じだよ)からヨーク背中側の中心で斜めに突き合わせる事になるんだよ。そしたら右側の画像で分かる通りヨークから袖に向かってほぼ"真っ直ぐ"柄が走る事になるんだよね。実はオーダーメイドのシャツだと稀にやる仕様で"袖山合わせ"と言うんだけど、工場さんが思い切り嫌がる部分なんだよ。  

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 そして実用機能は無いけれど袖口にスリットを付けてボタンを付ける仕様も60年代くらいのシャツにはよく見られたディテールでボクのお気に入りのディテールなんだよ。ちょっとした事だけど、とってもカワイイ仕様だと思うんだよね。右側の2本針による巻き縫い縫製やガセットという「まち」を付ける仕様は、もうお約束だよね。  
 ところが「それで、そんなに手間を掛けて凝ったシャツを作っちゃって、着て分かるくらい着心地ってやっぱり全然違うの?」って仲良しの友達が聞くから、「何て事を聞くヤツだ・・」思った。「まァ、気分の問題なんだよ。」と、答えたけど。  
 本題に入る前に、読者の皆さんにちょっとお知らせね。 
 この3~4年はうちの店長の小山くんを始め、ヤング達がお店をバッチリ運営してくれているからボクは店頭にあんまり立って居なかったんだけれど、最近は新しいお客様のお顔も良く知らないし、それにどうしてもアメ横時代から培った現場好きの虫がこのところ思い切り騒いで困るので、抜けられない用事の有る時以外の「日曜日」や「祝日」に関しては、みんなの邪魔になるのを承知で出来るだけ店頭に立つ事にしたんだよ。銀行や業者さんもお休みだしね。 
 「何か一応、生きては居るみたい・・」「最近は、手を抜きまくって毎日スウェットの上下とビルケンで過ごしているらしい・・」「雑誌に出る時は昔の写真を使っているらしい・・」などと言うウワサを本当かも?と思っているかも知れないお客様と、あらためてコミュニケーションが出来たらきっと久し振りに楽しいと思うんだよね。 
 実際にボクが動いているのを見てみたいという、モノ好きな方は是非お顔を出してみて下さい。で、それでも店頭に居なかったら多分脱走して、「服」や「靴」では無く、その辺で「油」や「コビ」を売っていると思うからうちのスタッフに「さっさと、今すぐ店に戻るように!」って言ってくれるかな?走って帰るから・・・ 

「"ウクラ"って何だろうねェ・・?」 

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 若かった頃の話だよ。服好きで仲良しの友達といつものようにアメ横に行ったらね、「る~ふ」に"UCLA"って見た事の無いロゴが入ったブルーのコーチジャケットがウィンドウの横に目立つように掛けて有って何だかスゴくカッコ良かったんだよ。そして他のラックや棚には同じマークのTシャツとかサンバイザーみたいなのも売っていてね。 
 ボクは何のマークだろうと思い友達に「"ウクラ"って言うのかな?アレ、何だろうねェ・・お前、知ってる?」聞いたら「え?知らないよォ・・オレも見た事が無いし。」そしたらボク達の会話を、すぐ横でたまたま聞きつけた当時の「る~ふ」スタッフのM浦さんが「このマークは、そのままユーシーエルエーって読んで、西海岸で一番人気が有る大学のだよ。」ってコテコテの長崎訛りで教えてくれたんだよね。最初に目に入ったコーチジャケットが、かなり気にはなるけど・・と思いながら、多分その時は違うモノを買って帰ったと思うんだよね。 
 それから暫く経ってからだったのかな、雑誌"POPEYE"が創刊されているのを友達に聞いて慌てて買いに行ったんだよ。そして、その中で"UCLA"がバッチリと紹介されていて初めてその実態を知る事になったんだよね。「わァ~!スゴい・・」って本当に思ったよ。 

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 それはかなり心地良い強烈なショックでさ、こんなにカッコいい大学生活が有るんだ・・思った。それまでは、ぼんやりとしかイメージ出来なかった西海岸の大学生のライフスタイルが"POPEYE"では、カリフォルニアの太陽の下で撮られた写真と共に細かく紹介されていて、何度も見ているうちにだんだんと強い憧れを持つようになったんだよね。自分の学生生活は大失敗だったと少し後悔していた頃でも有ったからだろうなァ。
 とにかく"POPEYE"の創刊号は「メンクラ」や「チェックメイト」に飽き足りなくなった当時のアメリカ大好き少年達に形容詞が見付からないくらいショックを与え、そして様々な影響を与えたと思うんだけど、ボクの場合はスケボーやハングライダーじゃ無く"UCLA"と「スニーカー」だった。特に"UCLA"については単なる4つ並んだアルファベットが、ある種の神通力と、そして強烈な光を放ち始めた瞬間だったと思うんだよね。
 読み終わった途端にコーチジャケットの事を思い出して翌日だったかに、慌ててバイトの帰りに遠回りをして一人でアメ横に行ったらコーチジャケットは残念な事に残って居なくてね。だけど"UCLA"のロゴの付いたホワイトのジップパーカを見付けて買い、それからしばらくは#646のコーデュロイに合わせたりしてボクのかなりご自慢のアイテムになった。そしてそれからもボクのワードローブには"UCLA"のトレーナーやサイクルパック、Tシャツ等々色々なアイテムが少しずつ増えて行ったんだよね。 

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 "UCLA"の登場は丁度タイミングが良かったんだと思うんだよね。ボク達がアイビー小僧だった時には"TAKE IVY"に紹介された東のアイビーリーグの学生達の格好(ボクなんか実際に撮影された65年頃の格好を70年になってから眺めて居たワケで、そもそも情報が数年古かったんだけどね。今なら考えられないけれど当時は疑問にも思わなかった。)がお手本だったんだけど、73年くらいから本格的に時代がクラシック・アイビーから離れてどんどん西に向かい始め、西にも当然大学は有るんだろうなァと思いながらもボクは"スタンフォード"とか映画「卒業」で覚えた"カリフォルニア大学バークレー校"(ここをCALと略すのを知ったのは随分経ってからだったけど。)の名前くらいしか知らなくて、大学の名前をあんな風にアルファベットで省略するなんて知らなかったもんね。
 それに学生達の格好があんなに違うなんて思っても居なかったんだよ。特にびっくりしたのは、CONVERSEやKEDS、TOP SIDERなんかの素晴らしいスニーカーが、それこそ唸るほど存在するアメリカの大学生なのに、わざわざヨーロッパのADIDASやTRETORNを履いている事だった。
 それに今でもそうなんだけど、アメリカンカジュアルを語る際には「大学モノ」「カレッジモノ」などと言ういわゆる「ロゴ入りモノ」はマストアイテムだからね。ボクもあんなに気に入っていた「お約束」のプリンストンやダートマスなんていうロゴものから、いとも簡単に"UCLA"に移行しちゃった。
 "POPEYE"のお陰?で"UCLA"はその後一挙にカッコいいメジャーブランドとして一人歩きを始め、気が付いたらライセンス商品も既に有ったのか取り扱うお店も増え、その頃になるとアメリカンな格好をした連中の間でもずいぶんと見かけるようになって行ったんだよね。
 "UCLA"が圧倒的な人気だったけれど、他に"USC"なんかもかなり人気だった。 ちょうどその頃の「チェックメイト」で紹介されているアメ横の記事が有るんだけど、珍しくメンズファッションイラストの巨匠、斉藤融先生が全部イラストで描き上げているんだよ。ここに当時の"UCLA"人気が垣間見えるね。

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 興味深いのは「る~ふ」も「ミウラ」も"ウェストコーストショップ"って書いて有るんだよね、そういう時代だったんだなァ・・。(この年の冬にボクは「る~ふ」に入った。) 

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 また、別のページには「原宿のスケートボーダー達」というスナップ特集が有って少し抜粋してみるね。懐かしいねェ・・みんな、こんなだったよ。"USC"も"UCLA"も居るね。

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 まァ、そんな事が有って当時のアメリカかぶれ小僧だったボク達にとって"UCLA"というロゴは本当に特別だったんだよね。ボク自身も当時は流行っているからとかいう感覚じゃ無く、とにかくロゴのアルファベットの並び方とかクマ?のキャラクターがとっても可愛くて気に入っていて、実は今現在も感覚は全然変わっていないんだよね。
 だから昨年、宝島社から出た「IVY NOW&THEN」というムックを2人ともまだ高校生の時にアイビーが縁で友達になった、元POPEYE編集部の松木直也氏が制作する際にお手伝いをしたんだけど、打ち合わせの時に彼が「ちょっとUCLAが、今どうなっているのか取材して来るからさァ・・一緒にロスに行く?」と言い出した時は思わず一緒に行きたくなっちゃったもんね。

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 70年代のファッションを語る際には絶対に外せないアイコンの一つが"UCLA"だとボクは思うんだよね。だから当時のワクワク感をもう一度味わいたくて、チャンスが有ったら是非一度アメリカ製で実現したいって、ずっと思っていたんだよ。
 それに"UCLA"のロゴを形成しているブルーとイエローの組み合わせが、何ともウェスト・コーストしているよねェ?
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