先日、そろそろ入梅だからね・・なんて思って、お休みの日にワードローブの奥の方にあるケースをようやく引っぱり出してあれこれ中身を整理したんだよ。一番奥に有って出すのが面倒だったからずっと何年か押し込んだままだったんだけど今回こそ、サイズの合わないTシャツとか、食べこぼしのシミが落ちないポロシャツとか、調子に乗ってズタズタにカットオフしちゃったスウェットだとかを処分しようと思ってさ。ウェストが留まらないショーツも何本か有ったよ。で、結局半分以上はゴミになった。
いつか着るかも知れないもんね・・・なんて思って、ずっと捨てないで持っていても最終的にはこんなもんだよ。もう何年こういう事をやっているんだろうかねェ・・・
そしたら、その中に買うだけ買って着ていないTシャツも何枚か有ってその中の1枚、こんなのが出て来たんだよね、完全に忘れていたよ。いやァ、DARTMOUTHだって、懐かしいねェ、かなりアイビーだよ・・・スゴいや。ブランドも"COLLEGIATE PACIFIC"だもんね。
コレはね、ちょっと曖昧だけど多分上京して来た頃にアメ横で同じモノを2枚買ったんだよ。一目見て余りに気に入り過ぎて恐らくガンガン着ると思うから、ダメになった時の予備としてね。それにせっかく見つけた超お気に入りを他の誰かが買っちゃうのも何だかシャクだし・・・なんて思ってさ。
で、確かに最初の1枚は2~3年ほど着倒して見事にゴミになったよ。ところが何年か後の肝心な時に予備で買っておいたつもりのコイツが見つからず、そのまま存在自体を忘れ去られて、きっと今になっちゃったんだよね。(多分アメリカに引っ越す時に洋服をいっぱい実家に送ったのだけど、一緒になっちゃっていてそれから暫くは実家に眠っていたというウワサだ・・)
だけど、今回発見して喜んだのも束の間で今見たらサイズが小さいの・・当時は着丈こそ洗って縮んじゃったけど、なかなか良いカンジだったのにね・・・こりゃァ、多少痩せても多分無理だろうなァ。
残念・・多分あの時Lサイズも有ったのにねェ。そっちを買っておけば良かったよ。って、もう40年以上も前の話しだけどね。ダメ元で、一度横に引っ張って着てみるかねェ・・・
実は若い頃から、時々そういう買い方をして来たので今でも新品のままナチュラルにデッドストック状態になってしまったモノが自分の手元に幾つか有るんだよ。
確かに「やったァ!買っておいて大正解!良かったよねェ・・、今じゃ手に入らないもんね!」なんていう瞬間も有ったけれど、反対にファッションそのものの流れが変わっちゃって、どう考えても今登場させたところでFARAHのチェックのフレアパンツのような「今さら、おバカ」でしょう!みたいなアイテムは案の定そのまま残っているし、そもそも太っちゃってサイズが変わっちゃったから、新品のまま着られなくなったモノも有るしね。本当に得したのか損したのかが分からないね・・・いや、多分かなり損をしてるよ。
だけどね、基本的にモノが少なかった70年代頃は買って何年か経つと友達とあれこれトレードする時にかなり有効な「飛び道具」として威力を発揮したのは間違い無いかも知れないね。CONVERSEのブラックパッチだとか、廃番になったDECK STAR、旧タグのIZOD LACOSTE、そしてIKE BEHARの筆記体タグだとか、守屋商店で結構買い込んだLEVI'Sの#502だとかね。あ、大文字のMAVERICKも何本か有ったなァ・・・勿論BARACUTAも。
大体が、毎日アメ横に居ると、廃番になった・・とか、タグが変わった、ジッパーが変わった、生地が変わった、などと言っては、じゃァもう1点自分のをまずは押さえて置くかァ・・みたいな事ばかり考えて居たからね。
それにアメ横はそれこそ服好きなヤツばかりが集まっているから、トレードなんてしょっちゅうでボクも買いそびれた欲しいモノが有ると友達に
「ねェねェ、こないだ着てたMAVERICKのコーデュロイのGジャン、アレ出さない?」
「え~?結構、アレ気に入ってるんだよ・・だけどお前、何か出す?そろそろ隠して無いで「だっちゃん」出しなよ、#502出る?」
「う~ん・・だけど、#502出すんだったら何かもう一つ何か付けてよ」
なんてやっていた。
【注:当時、浅草や千住辺りから来ている連中は「とっておきのモノ」という意味で「だっちゃん」という言い方を良く使っていたんだよ。最近は耳にしないけど今でも浅草辺りでは言ったりするのかなァ?】
そして結構珍しいアイテムもトレードによって手に入れた事も有るけれど、逆に交換しちゃってから後で悔やむ事になったモノも割りと有ったもんね。
一度などは、一旦後輩とのトレードに出してしまったJOHNSTON & MURPHYのブーツを取り返す為に確か「だっちゃん」のSCHOTTのレザーを出した事が有ったよ。一体何やってんだかねェ・・・。
最近は複数買いの事を「大人買い」と言うみたいだけど、アメ横に居た当時ボク達は「ダブル買い」とか「トリプル買い」などと言っていたんだよね。で、4つ買う時は「4点買い」・・急に日本語になっちゃうんだけどね。
そもそもボクの、気に入ってしまったモノはついつい複数購入をしてしまうという、いけない習慣はいつ頃から始まったかと言うと、おそらく中学の時のVANショップでの母親の買い方が事の発端だったと思うんだよ。
中学生の時には生徒手帳に「通学靴は白ひもズック靴に限る」と定義して有って、ある時からボクはVANのRUDDERのホワイトを履いて行くようになったんだよ。ボタンダウンシャツは生活指導の先生に見つかると怒られるから学ランの下にこっそりと着るしか無かったんだけど、RUDDERのホワイトは大威張りでOKだった。ヒールパッチに国際信号旗でVANって描かれたプリントが入っているヤツ。
そんな事が有って、ある時に母親が「どうせ、すぐボロボロにするんやから、まとめて買うか?」言いながら800円か900円のラダーをホワイトばかり3足買ったんだよね。「そうか、そういう風に買うのか・・」思った。で、確かにベリー・ナイスなアイデアだった。
その後、高校生になった時にはさすがに恥ずかしいから一人で買い物に行くようになったんだけど、ある時にVANのラグラン袖のボタンダウンプルオーバーを見つけたんだよね。
今考えれば、KENNINGTONとかPENDLETONあたりのパクリだったと思うんだけど、そんなシャツの存在すら知らなかったしVANショップのお兄さんだって、自分は初めて見たかも?なんて言うから
「確かに、これは見た事が無いよ、スゴい気に入ったもんね!・・・今まで着ているヤツ見た事無いし・・・」
で、買う予定だったレコードか何かを諦めて色違いで3枚程買って帰ったんだよ。(その後もラグランプルオーバーは、ギンガムチェックとかを再び買いに行ったくらい気に入ってしまったんだよね)
そしてその後、そのラグラン袖のボタンダウンは見事に市場から姿を消し(と、ボクがそう思っただけかも?)ボクは友達から聞かれもしないのに、肩の辺りを指差して説明しながら得意になって着回しているというイヤなヤツに時々なっていた。そして確かに2枚は友達の手に渡った。
そう言えば"TAKE IVY"も同様で保存用に1冊買い、そしてもう1冊を毎日カバンに入れて持ち歩いていたから最後にはページがバラバラになっちゃってね、輪ゴムとかで縛っていたもん。今、良くブログに登場させるボクの"TAKE IVY"はその時の保存用で買った方なんだもんね。
で、最近「大人買い」は止めたかって?懲りずに、まだやっているよ・・・通勤の自転者に乗るために、前から欲しかった手の甲の部分にインスタント・カイロを入れられるというMUNSINGWEARのハイテクなミトン・グローブを「ダブル買い」したんだよね、柄だってボクの好きなカッコいいWOODLANDのカモフラ柄なんだよ。
昔から仲良しのMUNSINGWEARのチーフ・デザイナーの方に「去年は無かった、このカモフラ柄は今季の限定スポットカラーで来季は、また別の柄にしますから・・」言われてさ・・・。
そんな事言われたら、絶対「ダブル」で買っちゃうじゃんねェ。