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 TAKE IVYという本が最近英語版で復刻されたよね。いやァ、この本もボクのアメリカかぶれの原点の一つだね。発売されてすぐにこれを買ったのが昭和48年、だけどその時すでに復刻版で初版は昭和40年と書いてあるから1965年という事になる。もう45年も前だよ。ただその48年(1973年)の復刻の2年前の46年(1971年)に出たメンクラのアイビー特集号の第1集というのに実はTAKE IVYのページがかなり抜粋で掲載されていたので割と内容は分かってたんだけど。でもかなり嬉しかったね、伝説のバイブルなんて言われてて、スゴク欲しかったからね。

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 高校生だったんだけど、ヒマが有るので眺めるために日々カバンに入れて持ち歩いていたから一冊目は、日ごとにボロボロになって最後にはバラバラになってしまったね。保存用にと後でもう一冊無理して買っておいたのが画像のものなんだね。教科書は忘れてもTAKE IVYだけはカバンに入ってた。ちょうどその頃のアメリカのファッションは、すでにアイビーな格好をしてるヤツなんて居ないという事も分かりながらも、大好きなアイビーの着こなしをメンクラの作り上げた写真からじゃ無くて、あらためてこの本から真似てたりしてた。特にパンツの丈は、ああいう寸足らずが本物のアイビーだとその頃は信じてたからね。だからみゆき族のお兄さん達のあのパンツ丈は、ある意味正しかったのかも知れないね。ただどう考えても足が長く見えないのには全く納得出来なかったけど。

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またまた勝手な自説だけど、今考えてみると写っている彼らは大学生でまだ成長期にあるし、パンツを購入した時はそこそこ丈がちょうどでも成長と共に足も伸びるし、また当時のLEVI'Sなんかのコットン素材のピケやツイルのホワイトジーンズはやたらタテに縮むし・・みたいな複合要因の現象じゃなかったのかな?だからくるぶしが丸出しのつんつるてんなんだよ・・でも最初はそうじゃ無かったんだよ。きっとね、違うかなァ・・。

 一時は、ほぼ毎日どこかのページを眺めてたから、結構写真の細かい部分に都度新しい発見をしてたんだけど、ある時にホワイトジーンズにちゃんと折り目が入ってる学生がいるのを発見したんだよ。バックポケットが写ってるから、明らかにLEVI'Sと思しきホワイトジーンズなんだけど、ちゃんとアイロンがかかってるんだね。「へェ〜、アメリカ人はホワイトジーンズにアイロンをかけるんだ。」

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 早速真似したね。「変だよ。」という友達には写真を見せて「ほれ!」なんて言ってたけど真相が分かったのは随分経ってからだったね。アメ横の守屋商店で初めてLEVI'Sの#518のパーマネントプレスのホワイトジーンズを見せてもらって・・目からウロコだったね。初めて知ったんだけど、おそらく写真に写ってたホワイトジーンズは要するに折り目が取れない加工がしてあったジーンズだったワケだよ。いわゆる「STA-PREST」だね、よく「スタープレスト」「スタプレ」と呼んでるヒト居るけど、正しくは「ステイプレスト」ね。STAY(保持する)PRESSED(折り目が付けられた)を組み合わせたLEVI'Sの造語だよ。

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守屋商店といえばビンテージジーンズの言わば草分け。その頃は、まだLEVI'S#502を始めお宝ジーンズがザクザク積み上げてあったね。あれこれ見てるだけで楽しくて、おじさんや息子さんが色々と教えてくれてね。アメ横に勤め出した最初の頃なんてお昼の度に顔を出してたね。一時は毎月くらい守屋商店で色々なパンツを購入してたけど、プレスのホワイトジーンズは特に当時のお気に入りで、みんながLEVI'Sの#646や#684、またMOVIN'ONなんか穿いてる時に、ボクはやっぱりひねくれ者なので時々、チェックのボタンダウンシャツにこのプレスのホワイトジーンズとペニーローファーを履いて、わざと時代遅れな格好で店に立ってたりしてた。ボクの格好を見た先輩にお小言を言われながらね。  

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 83年頃に嘉門達夫が♪ヤンキーの兄ちゃんは、カーデガン着る〜♪と唄ったおかげでいきなり勝負服の座から引きずり下ろされたカーディガン・・でもないと思うけど。しかし個人的には大好きなアイテムなのに、ずっと陽の目を見ない「カーディガン暗黒の時代」が続くなァと思っていたらシルエットこそちょっと違うものの、ここ最近若いヒト達もボチボチ着出してるんだよね。

 いいねェ、カーディガンはおしゃれだよ!使い道も広いしね。フロントが開くからシャツとのコンビネーションが楽しめるし、更に前開きはボクみたいな小デブにもいい。かなりカッコいいアイテムだと思うね。  ボクのカーディガンデビューは昔懐かしいワンポイントブームの時、VANを着てボウリングが趣味だった従兄弟に「これアメリカの服やぞ!」と言われながら、散々ねだったもらい物。ペンギンのマークのMUNSING WEARだった。だけどあっちこっち引っ掛けてて毛糸がビロビロ出てるヤツ。でも着てると周りがいいねェなんて言うから結構その気になって着てたんだよ。

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 70年代も中頃になるとさすがにワンポイントブームも終わりジーンズだ、ヒッピーだ、ヘビアイだ、やれニュートラだ、みたいな流れが一挙にあっちこっちに向いて走り出してたんだけどボクは上京して更にインポートのアメリカンスタイルにのめりこみ、アメ横に足繁く通うようになってたんだね。その頃のアメ横はちょうど御徒町に近い方のガード下あたり(名店:玉美さんのあるあたり。)に今もそうだけどゴルフ屋さんが多くて、あっちこっちでポロシャツやハイネック(死語か?)に混じってカーディガンが、まだバラバラと売られてたんだよ。それが結構 直輸入物が多くて感動的だったね。MUNSING、ARROW、JOCKEY、HANES、JANTZEN・・幾つか購入したね。画像のようなパール編みのものだとかモヘアのものだとかね。

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 でも60年代のアメリカではカーディガンがトップファッションのアイテムだった時期もあったようなんだね。若いヒト達には信じられないかもしれないけど事実当時のポップアイドル達のレコードジャケットを見ると結構みんな着てるんだよ。エヴァリーブラザーズ、ボビーヴィー、画像は無いけどヴェンチャーズやら、はたまたオンナの子までもね。

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 アイドルのレコジャケと言うと当然時代のトップファッションをまといカッコ良さを競う場みたいなもんだろうから色々と考えられた末のスタイリングだったと思うけどそれを当然のように当時の若い連中も真似、そして遅ればせながら我が日本でも・・という事だったんだろうかね。

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 いささか細かいハナシをすると割と初期のアメリカのゴルフカーディガンにはウェストの両脇にスリットがあって、そこをボタン留めするという仕様が時々あるんだよ。これは単なる飾りだとは思うんだけど、そこがカッコ良く思えてねぇ。だからそれがどうしたんだよ・・みたいなカンジだけどボクに取っては、そこにボタンが有ると無いでは大違いなんだね。

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トムハンクスの作品で「すべてをあなたに」という映画がある。実は先輩に「ちゃんと格好を観ろよ!スゴイから・・・」と言って教えて頂いたんだけど、この映画のキャストのスタイリングがメチャクチャ秀逸でアメリカのアイビースタイル時代の後期の姿を男も女も見事にとらえ、再現してるんだよ。そして映画の中で誰も気にしないような存在の、ほんの2秒ほど出て来るエキストラのTV局のカメラクルー役が着てるスカイブルーのカーディガンのウェスト部分にボタン付きのスリットを見つけて一人指差して大騒ぎしたボクは冷ややかな家族の視線を一手に引き受ける事になった。「いいよ、どうせ説明してもわかんねーだろうから!」

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 中学生の時にアイビーの強烈な洗礼を受けて以来もうかれこれ40年もボタンダウンシャツを着てる事になる。途中でちょっと寄り道もしたけどね。最初はVANのボタンダウンシャツ、嬉しかったね!「ヤング720」(VANがCMをやってた朝のヤング向け番組で朝7時20分に始まる。セブンツーオーと読む。)に出演してるお兄さんとおんなじ形だ〜ってなもんだった。

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 でもVANの商品はあれもこれも値段が高くてとてもじゃないけど自分で買えないから、デパートに行く母親のご機嫌を取りながらVANショップまでズルズルと引きずって行っておねだりするのが常だった。その後KENTなんていうもっと高価格のブランドが登場すると、さっさと乗り換え「もうVANを着るのはガキだわな〜」などと自分がガキのくせに勝手に思い込んでたね。

 ところで最近当店のオリジナルのボタンダウンがようやく実現した。一昨年くらいから構想を練り始めて幾つか業者さんと交渉したりもしてたんだけど、企画内容を聞くなり「かなり、有り得ないっすね。」言われ続けて来た。自分の好き勝手に凝った仕様に加え、価格アンダー1万円を純日本製で、しかも極小ロットで実現すると言うのが・・・だ。

 ところが今年、何の前ぶれも無くフラッと現れた関西の業者さんに持ちかけると「えらい凝ってまんなァ、しゃーけど面白そうでんなァ・・私もアイビー大好きですねん、工場説得して、やってみまひょか。」で、本当に出来た。

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 60年代中頃から後半にかけてアメリカではアイビースタイルがほぼ熟成期に入り、あれこれ制約の多いスタイルではあるけれどその中で様々な試行錯誤がなされて来たんだろうね。生地の風合い、色、柄、楽しいものがすごく多い。そして何より細身のシルエットのものが多いんだよ。手前勝手な自説なのでご容赦頂きたいんだけど、アメリカ人の加齢と共に肥満の可能性を想定したトラディショナルモデルのシャツは、太る前の若い学生君達には余りにダボダボ過ぎてカッコ悪いから、もっと脇や袖幅を絞ってカッコ良くスタイリッシュにしようぜ・・などと言って、手を加えたんじゃないかなァ。だからタグにV-TAPERやTAPERED なんていう表記がわざわざあったりするんだね。

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 あとはどうしても襟だね。襟がボタンダウンの肝の部分なんだけど60年代頃のものは襟腰が余り高くなく、そしてシルエットがかなりシャープなんだよ、これをとにかく実現したかったんだ。何度かやり直しを経てほぼイメージに近いのが出来たのはかなり嬉しかったね。あと、どうしてもこだわったのがロッカールーム仕様などと呼ばれる襟の後ろのボタンとボックスプリーツの上端に付くハンガーループのセット。アイビーのシャツならお約束だよね。

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 で、やりたかった事全部では無いけれど、ほぼイメージ通りのものが、まずは出来上がった。ただ、あとになって大きい問題が起きたんだね。実は今になって分かったのはボクには身幅がちょっとキツかったんだよ。加齢による肥満を、まさに地で行ってるからなァ・・。

第7回「超B級テイストのREYN SPOONER」

ボクはほとんどアロハシャツを着ない、がレインスプーナーは着る。大した理由は実は無いんだけど、要するにアロハシャツというよりハワイ製のプルオーバーのボタンダウンシャツとしてとても気に入って着てるだけなんだよね。昔から、というかボタンダウンシャツをそれと意識して着始めてから、夏場に着る半袖のボタンダウンはプルオーバー以外は考えられない、などと長い間自分で勝手に決めてたんだけど、そこにストンとレインスプーナーが収まってしまったカンジなんだな、たぶん。

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特にラハイナセーラーという今も当店で取り扱っている定番柄に代表される、例の生地を裏返しに使う「スプーナークロス」と呼ばれるコットンとポリエステルの混紡素材が気に入ってる。混紡でおまけに生地が分厚いから、「正直ありゃァ暑苦しいんじゃないすか?」という方も事実いらっしゃる。確かに全然涼しく爽やかでは無い。だけどやや太めのボクにとっては汗をかいてもベッタリと肌に貼りついたり変形したりしないし、何よりもヒトにはとうてい見せられない不思議なカーブを描いているボディラインをスッポリと隠してくれるのがとても有り難い。それに裾がストレートにカットされていてサイドにスリットが入っているデザインも身長の低いボクにとってはゾロリと長たらしくならなくて非常に具合が良いのだ。

レインスプーナーを初めて知ったのは70年代の中頃だと思う。ちょうどその頃はウェストコーストのスポーツファッションが更に昇華しサーファーなどと呼び出した頃で、ボクも粋がって髪を伸ばしLEVI'Sの#646コーデュロイに紺色のトップサイダーを履きLIGHTNING BOLTなんて言う稲妻マークのTシャツなんかを着たりしてたんだけど、生地が裏返しになっている不思議な細かい花柄のプルオーバーのボタンダウンを見つけたんだよね。多分アメ横の「ミウラ」じゃなかったかな。

最初に購入した細かい花柄のヤツは見事に襟がスリ切れるまで着たのだが、以来新しい柄を見るとあれこれ欲しくなってついつい買ってしまうから少しずつ購入してたつもりが、年月が経つと結構な数量になってしまったのである。

ところが購入はしたものの、一度も袖を通してないヤツが実はあるのだ。画像のヤツである。理由は単純で、とてもじゃないがやっぱり恥ずかしくて着れないのだ。見た通り前も背中もどぎついカラーのウェスタン柄、おまけにこれぞアメリカンと言わんばかりのコテコテさで、さながら安物のウェスタンイベントのポスターのようである。

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一度家の中で試しに着てレイバンのウェイファーラーをかけて鏡の前に立ってみたら、絶句する程ダサかったね。でも憎めないと言うか、このセンスがレインスプーナーでもある。一度でいいから着ろと言われれば、もっと年取ってジジィになってからハワイにでも行って、それも俗っぽいワイキキあたりで夜の散歩とシャレ込む時にでも着てやろうかと思っている。

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それと、MLBのカーディナルスやヤンキースの柄もとてもカワイくて、すごく気に入っているのだが、やはり2番目くらいに袖を通しにくいヤツだ。だったら買うなよ、という感じだがこれもあと10年後くらいだったら何かの機会に着るかも知れないと思い、一応大事に取ってあるのだよ。

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今シーズンの最注目アイテムの一つがCPOだね。当店では今年もお馴染みFIDELITYのCPOシャツがズラリと並んだ様を眺めてたらタグに「CPO JACKET」となっていた。あれれ、CPOはシャツじゃ無かったっけ?全然気が付いてなかった。いつジャケットに昇格したんだよ。ボクらの時代にはCPOシャツと憶えてたんだよね。ところが最近はジャケットになってしまったらしい。

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時々古着屋さんで見かけるかも知れないけどFOXKNAPPという名門ブランドがある。70年代の中頃登場したダウンベストやブッシュパンツの時代、典型的なアメリカのウ-ルアウターとしてボク達は認識してた。友達はピーコートを気に入って着てたけど、ボクはCPOシャツの方が全然カッコ良く思ってたね。モサモサした安っぽいウールのタッチが逆にワイルドなアメリカを感じさせてくれてね。海軍仕様の無地のネイビーよりもチェックの柄が何ともバタ臭い感じで、高校生の頃着てたVANのタータンチェックのCPOなんかとはデザインは似ててもテイストが全く違ってた。

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その後アメ横の「る〜ふ」で働く事になって初日に着て行ったのがFOXKNAPPのCPOだった。11月の末頃だったのかなァ、一応色々と悩んで一番のお気に入りのCPOとLEVI'S#646のコーデュロイ、靴はクラークスで初出勤だったんだけど、バカだったね。アメ横は当時冷暖房なんていうのが無かったから夕方くらいになると外気が通路を吹き抜けてメチャクチャに寒かった。おまけに店の前の狭い通路の向こう側は魚屋さんの冷蔵庫だったし、閉店する時はホースで水をバシャバシャ撒くし・・・で、カッコ付けて行って風邪引いて帰って来た。そう、CPOだけでは冬のアメ横は寒かったよ。そのFOXKNAPPのCPOを購入したのが当時の隠れた名店、大井町の「みどりや」さん。実は現在の原宿キャシディさんの原点だよ。

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FOXKNAPPというブランドがいつ消滅したのか定かでは無いんだけど80年代に入ってもプレッピーのブームの中、FOXKNAPPのピーコートは予約待ちが出るほど人気アイテムだった割にCPOは全く話題にもならず忘れ去られてしまっていてね、時々着て行ったりすると「懐かしいね〜」なんて言われる始末だった。

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それが何年も経った今、見事に復活を遂げて超人気アイテムとなっているのは、何とも嬉しくてこそばゆい感じがする。でもこのようなアイテムに若い人達が注目し、楽しんでカッコ良く着てるのを見ると、まだまだアメカジは捨てたもんじゃないと思うね。

今となっては、半ば伝説のようになってしまった名品FOXKNAPPだけど、何を隠そう当時FOXKNAPPのウールアウターを一手に引き受け生産していたメインファクトリーが現在のFIDELITYなんだよ。だからFIDELITYこそが当時のFOXKNAPPの伝統の唯一の継承者であり直系筋なんだね。おまけに70年代当時FOXKNAPPを初めてアメリカから日本に紹介し、直接輸入業務に携わってた方々が今の輸入元の(株)アイメックスさんのお偉いさま方だというオチまでついているのだよ。

だからFIDELITYはそこら辺のブランドと違って伝統の重みも、携わってる方々のキャリアも、そして気合いも全然違うんだよ。

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