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第11回 「ウンチクオヤジたちの『マイティマック』オフ会の夕べ。」

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 セプティズの玉木さんから「35サマーズの寺本さんとマイティマックについて情報交換会を開くんだけど、いでくんも参加しない?」というお誘いがあった。まあ、情報交換会といったって早い話がウンチク好きなアメカジオヤジたちの飲み会なんだけんどもね。
35サマーズの寺本さんというオヤジは、最近セレクトショツプや雑誌でよく見かける、肩にレザーのウエスタンヨークが入った70年代後半〜80年代前半のアメカジブームの頃に売っていたロッキーマウンテンフェザーベッドのダウンベストを復刻させた人である。
しかしレザーのウエスタンヨークが入ったダウンベストなんてアータ、昔だったら下手したらなぎらけんいちか萩原流行になっちゃう恐れがあった本気ウェスタンアイテムで、青山のキラー通りの「ベイリーストックマン」とか六本木の「アウトポスト」や「シェラマドレ」あたりでしか取り扱ってなかった、当時はあんまり人気がなかったマイナーブランドだ。確かポパイで「アーバンカウボーイ」のファッション特集があった時に、一瞬買おうかと迷ったことがあったけど、結局トニーラマのカウボーイブーツだけに留めといて、買わなくてよかったぁ〜という記憶がある。それがどうよ、いまやその野暮ったいウエスタンヨークが他のダウンベストにはないアイコンでカッケーってんだから、いやはや時代ってのは恐ろしいっす。

 その35サマーズの寺本さんが、今度はなんと、あの『マイティマック』を復刻させたらしい。おいおい、またまた当時でもマイナーだったブランドをよくまたみっけてきて復刻させたよねぇ〜。ていうか、アンタも好きねぇ〜(ⓒ加藤茶)。そのマイティマックのウンチク話を肴にして、セプティズの玉木さんと一杯飲りましょうってわけである。こりゃたいへんな状況になるということは、行かなくても目にみえてわかる。う〜む、ここは同じアメカジウンチクオヤジとして、やはりオレも行かないわけにはいかんだろう。ってことで、不肖いであつしも参戦して参りました。

 場所は、玉木さんのホーム、三軒茶屋の行きつけのイタメシ屋。私用で30分ほど遅れて到着すると、現場はすでにもうワイン片手にホロ酔い気分のウンチクオヤジたちが、マイティマックのウンチクを肴にしてアゲアゲに盛り上がっていた。

玉木さん「もともと本来はヨット用のブランドですからね、昔のマイティマックにはフードの後ろにドローコードがついていて、そいつをキュッと絞って着るとちゃんとフードの前部分が調節できるようになっていて、それがまたカッコよかったんですよ」

寺本さん「まさにおっしゃるとおり!ガハハハッ、ちゃあんとそれも付けましたがなぁ〜」

玉木さん「あ〜、ホントに!嬉しいなぁ」

寺本さん「それよりお借りした、玉木さんが今でも持ってらっしゃった当時のマイティマックの取り扱い説明書付きのフラッシャー。どこかに誰かまだ持ってる人はいないかなぁって探してましたんや。いやぁ〜、たいへんに貴重なもんをお借りできまして、大感激ですわ。ガハハハッ!」

玉木さん「たまたま、友達の手元に残っていたんですよね。あのフラッシャーに描かれているオヤジの写真の格好あるでしょう、あれが本当のマイティマックの正しい着方なんです」

 うおお〜、すでにもうマイティマックのウンチク話はかなりディープなところまで進んでいるみたい。京都出身の玉木さんと神戸出身の寺本さん。ヘンにドスの効いた関西弁とミョウに冷静な京都弁イントネーションのマイティマック談義に、素人のオレなんか入れる余地もない。知らないことばっかだよ。

ていうか、そもそもマイティマックって、やっぱり確か70年代後半〜80年代最初の頃に、アメ横の「る〜ふ」とかオープンしたばっかりの銀座の「シップス」で売っていたんだけど、当時はあんまり人気が出なかったマイナーなコンサバブランドなんだよね。あのT字型のでっかいジップがなんか野暮ったくてさぁ、同じコンサバなブルゾンならバラクータのほうがメジャーだったのだ。
でもやっぱりこれもまた時代ってのは恐ろしいもんでして、今みると、あの野暮ったかったT字のジップが逆にカッケー。なんか欲しくなってきちゃったよ。色がタンのマイティマックのインに、白いオックスフォードのBDシャツの衿をチラ見せした同色のVネックのシェツトランドセーターを着て、丈を短めにはいたチノパンとかウールパンツをはいてクラークスのデザートブーツからアーガイルのソックスをチラ見せ、なぁんてどうよ?
マイティマックの詳しいディテールの知識やらブランドの背景やらをあんまり知らないオレは、しかたないんで消費者代表として、こっち方面から参戦することにしたのだ。
いで「えーと...、マイティマックっていったら、オープンしたばっかりの頃の銀座のシップスっていうイメージだよなぁ。確か銀座のシップスで売ってたのは茶色のコーデュロイ地で袖と裾がリブ編みのフード付きブルゾンで、フランスのイスランとかのシャツにボーダー柄のニットタイを締めてグレンクロフトのフェアアイルニットベストを合わせて中に着てさ、それにバリーブリッケンのツータックのウールのサキソニーのグレイパンツとかをはいて、靴はコールハーンのグローブレザーのローファー。なぁんてコーディネートで着てたんすよ、店員が」

玉木さん「うんうん、そうそう」

寺本さん「へぇ〜、そうなんでっか。玉木さんもいでさんもええ時代を知っていて、ぼくなんか羨ましいですわ。そのお話、そっくりそのまま今のシップスの若い兄ちゃんたちに聞かせてやりたいでっせ。ガハハハッ!」
うんうん、よしよし、どうだどうだ、オレも一発かましてやったぞ。よっしゃあ〜、このペースでもう一発かましちゃる。

いで「当時は値段もけっこうしたんすよねー。

銀座のシップスよりもアメ横とかシモキタのる〜ふのほうが安く売ってたから、そっちで買おうかと思ったけど、結局、バラクータを買っちゃったな。マイティマックって、アメ横のる〜ふとかに行くとバラクータと一緒に店の軒下の高いとこにハンガーで掛けてあってさ、あのヨットハーバーみたいなのが描いてあるイラストタグがカッコよくて、目に入ったんだよね。でさ、よく見せてよっていうと店員のお兄ちゃんが先っぽにフックがついてる長い棒を器用に使って、枝切り鋏みたいにしてハンガーからとって見せてくれたんだよ」

 しし、しもうたぁ~、このアメ横のフリはまずかったみたいだ。話はそれから玉木さんの当時のアメ横はいかにすごかったかというウンチクになり、さらにはヨット繋がりでマイティマックからトップサイダーのウンチクにと、どんどん広がって盛り上がっていってしまったのだ。「トップサイダーの旧タグでカモメが飛んでいる幻のタグがある」だとか、
「トップサイダーの旧型と同じやつをパリのアナトミカのピエールに作ってやってる」だとか、もはや玉木さんと寺本さんのウンチク談義は誰も止めることができない。
最初はがんばって参加していたオレも、さすがに疲れてきちゃって、だんだんうなづくだけになってきた。ていうか、すっかりワインで赤ら顔の玉木さん、そのトップサイダーのカモメが飛んだって話、さっきもしたよ。

 夜の7時頃からスタートしたマイティマックのオフ会が終了したのは、お店が閉店して客はワレワレしかいなくなっちゃった11時も過ぎた頃。おいおい、マイティマックで4時間かい。驚いたことに、このあと寺本さんは玉木さんの「近くに遅くまでやってる古着屋があるんですよ」という一言で、そこに寄ってフルーツオブザルームのポケTを買って帰ったのだ。しかも古着屋でもこの2人、まぁだウンチクを語り足りないのか、夜の11時過ぎだというのに、お店の若いおねえちゃんにえんえんとウンチクを語る。
オレはというと、寺本さんが一緒に連れてきた、オヤジたちのウンチクにずーっと静かに黙ってひたすらつきあっていた信岡くんという小室哲也似の35サマーズの若いプレスのいまどきのハンパ丈パンツをはいてるお兄ちゃんに、小声で「このウンチクオヤジたちは古着屋殺しだね」と耳打ちしたのであった。いやはや、上には上がいるってもんです。チカリタビィ〜。

文 いであつし/イラスト 綿谷

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