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第9回 「セントジェームスはアメカジで着るにかぎる」

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 セプティズの玉木店長が「こんなのが入荷したよ。懐かしいでしょ」と、『セントジェームス』のボーダーのバスクシャツを見せてくれた。

 よく見ると、襟元のタグが昔のやつ。「へぇ〜、よく見つけたね。デッドストック?」と聞くと、どうも違うらしくて、最近の日本人のアメカジオタクな業界の波にのって、セントジェームスも昔のタグの復刻版を少量発売したらしい。

 まぁたセントジェームスもオレみたいな往年のアメカジオヤジの琴線をくすぐるよーな細かいことをしてくるねぇ〜。

 うんうん、そうそう、昔のセントジェームスのタグってこれだったよね。洗って着込んでくとタグのプリントが白ッちゃけてきちゃつて文字が読めなくなっちゃうんだけど、それがまたアジがあったんだよ。うんうん、そうそう、袖についてるタグも小文字で「Stjames」ってやつで、シンプルでいかにもフランスのワークウェアっぽいんだよね。

 セントジェームスのバスクシャツは、洗いざらしの着込んでボーダーの色なんか色あせちゃったくらいのやつを、他には何にも飾りをつけずに素肌にそのままシンプルに着るのがいちばんカッコいい。でもそうすっといまのタグだとしっかりしていて洗ってもなかなかへたれないもんで、四角いカドのトコロがチクチク首元にあたっちゃって肌の弱いオレにはちょーっと痛いんだよねぇ。

 まぁでも、このご時世にセントジェームスのバスクシャツは今もメイドインフランスってところが嬉しいじゃないですか。値段も昔からそれほど変わってないし、丈夫だしね。なによりラコのポロといっしょで、昔っからアメカジとも相性がいいのだ。下にシャンブレーのシャツとかラコのポロシャツを着るっていうのも、昔っからある王道のコーディネートである。

 そういえば昔、綿谷画伯と初めて会ったときも、画伯はセントジェームスのバスクシャツの下にラコを着て白いカーペンターパンツにジャックパーセルだった。セントジェームスのバスクシャツってのは、そういうコンサバな定番アイテムなのよね。

 でも意外とぼくがけっこう好きなのが、ゴルチエとかピカソみたいな着かた。コテコテのアメカジじゃなくて、おフランスの香りがしてくる着こなしってやつね。パリのモンパルナスあたりにいる毎日バスクシャツばーっかり着てるパリジャンの貧乏画家みたいな?わかりやすくいうと『ドレステリア』の森さんみたいな格好ね。森さんって、よくそういう感じでおしゃれにバスクシャツを着てるんだよなあ。しかし実際のところですね、アメリカに行ってもアメカジがいないのとおんなじで、パリに行っても、日本人みたいにファッションでボーターのバスクシャツを着てる人なんて全然いやしねぇんだよ、これがまた。

 昔、初めてパリに行ったときに、向こうでパリの街を案内してくれた友人にも「いでさん、恥ずかしいですから、くれぐれもバスクシャツなんか着てパリを歩かないでくださいね。生肉屋さんに間違えられちゃいますから」と言われてしまった。

 なんだよう〜、せっかくモンパルナスの貧乏な画家みたいにセントジェームスを着ようと思ってたのにぃ〜。ていうか実際、パリの街にはボーダーシャツなんてどこにも売ってなかった...。ビックのライターもどこにも売ってなかった...。フントニモー、パリはちっとも燃えていなかっただよ。

 あれから10余年。去年の冬、カミさんが仕事でフランスのバスク地方とノルマンディに行ってきたのだが、「あのさ、本場のバスクシャツが売ってたらお土産で買ってきてよ。もちろん紺白のボーダーね」と柄まで指定して頼んだら、「零下何度だったし、そんなの着てる人なんて誰もいなかったわよ。そういえばノルマンディにセントジェームスのお店があったけど、シーズンオフで閉まってたわよ」と言うではないか。あーねー、そうなんだ...。

 ちなみに真冬のノルマンディは、カミさんが撮ってきた写真を見せてもらったら、二時間ドラマに出てくる真冬の能登半島の東尋坊にソックリであった。

 やっぱセントジェームスは、日本でアメカジで着るにかぎる。

文 いであつし/イラスト 綿谷

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