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第8回 「ホントに本物の真実のシェットランドセーター」

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 ようやく寒くなって(注:本原稿は昨年11月初旬に書かれたものです)、やっとニットが着られる気温になってきた。ヤデウレジヤ。
セプティズの店内にもまだ暑〜い時期から、発色のいいシェットランドセーターが棚にきれ〜いにグラデーションにたたまれて売ってましたっけ。そうそう、うんうん、よしよし、やっぱシェットランドセーターはこうやって店内に置いてくんなくちゃね。もちろん、メイドインスコットランド、もしくはメイドインアイルランドでなくてはねばならぬなのだ。
しかし毎度のことながら、このところのアメカジ景気でこのシェットランドセーターの人気がまたまた復活している。ちょっと前まではイタリア製のラグジュアリーなハイゲージニットに押されて、シェットランドセーターなんて風前の灯だったのに、流行ってコワイ。
ワシなんか、持ってるセーターのほとんどはシェットランドセーターだかんね。高校生の頃に買ったやつなんか、いまだにまだ持ってるさかい。なにしろ昔は一番安くて気軽に着られる唯一の本格セーターといったら、シェットランドセーターだったから。当時メイドインスコットランドでも9800円ぐらいで買えたのよ。これがラムズセーターになるともうちょっと高くなって買うのに勇気がいった。いまじゃユニクロで安く買えるカシミヤなんてアータ、夢のまた夢。もっとも、バレンタインやコーギーなんて百貨店の高級紳士売り場とかでしか扱ってなくて、あーゆうカシミヤの高級セーターはオヤジブランドのダサダサなセーターだと思ってたからねぇ。いやはや、無知ってコワイっすね。

 でも昔はシェットランドセーターも、シェットランドっていったってほとんどが日本製で、なかなか本物が手に入らなかったのだ。仕方なく、メンクラの扉を開けると必ず最初に広告が出てたジムのやつなんかを着てたんだよな〜(最近はジムも勉強して認められて、メリノウールの発色のいい上質なハイゲージセーターとかをビームスプラスで扱ってたりするけどね)。だから初めて、ネックがまくし縫いじゃない、軽くて発色のいい英国製のシェットランドセーターを買ったときには、「おおー、これがMADE IN USAカタログのJ.プレスのページに出ていたシャギードッグセーターってやつとおんなじやつかぁ!」と感激したもんです。
シャギードッグセーターというのは、J.プレスのシェットランドセーターの呼び方で、「あざみのトゲでひっかいてシャギードックの毛並みみたいな起毛をワザとつけてる」というウンチクも、たしかMADE IN USAカタログで知った。なーんも知らないワレワレの間では、「BDシャツならブルックス、シェットランドセーターならJ.プレス」だったんである。
あれから30余年。いま、セプティズやビームスプラスとかで売っているシェットランドセーターは、昔と違ってホントに本物の真実のシェットランドセーターらしいではないか。お値段のほうも昔とは大違いだが、まず、脇に縫い目がないシームレスってぇところが昔のインチキシェットランドセーターといちばん違うやね。それから、なんといっても発色の良さと軽さ。これがもう昔のインチキシェットランドセーターとは断然違うのだ。
おおー、そうかそうか、そうだったのか。これがホントに本物の真実のシェットランド島で作られているシェットランドセーターだったのかぁ〜。しばし天を仰いで感無量...。いやぁ〜、長かった。お金のない学生たちが着るたかだが無地のカジュアルセーターなのに、ホントに本物の真実のシェットランドウールに触われるまで30余年もかかってしまっただよ。いまじゃすっかりもうオヤジ。

 さっそく、30年何年ぶりにシェットランドセーターを買おうとかおもってセプティズに出かけてみたら、ホントに本物の真実のシャギードッグセーターの『ピーターバランス』なんていまや大人気で、セプティズでも売れに売れていて、なんともう在庫がなくて買えなかったのだ。ちぇ〜、なんだぁ、まだ暑い頃はあんなに揃ってたのにぃ〜。寒くなってからじゃもう遅いってことなのね。ガックシ。
すると玉木店長から「同じホントに本物の真実のシェットランドセーターで、ジェームズシャルロットならあるよ」と勧められた。うーん...、でもオレの中では『ジェームズシャルロット』は、同じホントに本物の真実のセーターでも、どっちかっていえばシェットランドセーターというよりはチルデンセーターなんだよなぁ。またの機会にしとくよ。
(注:ジェームズシャルロットの脇はシームレスではありません。でもインチキではありません(苦笑...玉木))

 昔と違って、なーんの苦労もなくセプティズで(玉木店長のウンチクをえんえん聞かなくちゃなんないけど)、ホントに本物の真実のシェットランドセーターが気軽に買えちゃういまどきの人たちはシャーワセである。
なのにアータ、最近の若いヤツらときたひにゃ、シェットランドセーターも、カットソーみたいにTシャツの上から着たりしてやがんのね。フントニモー、オジサンが絶対にできないのが、あの着方である。一度、ジョンスメとかハイゲージのメリノウールならばチクチクしないし、できるかもと思って挑戦してみたことがあるんだけど、どうにもこうにも、あのセーターの襟元からTシャツがチラリというのが気持ち悪くって、やっぱダメでしたね。
あのね、せっかくホントに本物の真実のシェットランドセーターが着られるんだから、ちゃんと襟元からBDシャツをチラリと覗かして着なさいっ。
(「ピーターバランス、シャギードッグセーター」今期秋には再度入荷予定です)

文 いであつし/イラスト 綿谷

セプティズオリジナルはコチラ

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