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2018年5月アーカイブ

「ボク、やっぱり雑誌が大好きなんだよね!」  

 いつも何かある度にお世話になっている、枻出版社の「2nd」が近日、再び雑誌として復帰し、また書店に並ぶ事が決まったみたいだよね。「良かったァ、やったね~!」って感じだ。ボクずっと愛読者でも有ったから、無くなるって聞いた時は本当に残念でね。やっぱりWEBだけじゃ無くて、雑誌というカタチの存在と、そして基本的に誌面を眺めながらページをめくるという動作が本当に好きだし、何だかいいなと思うんだよ。 

 先日、ある方から仕事場の事務所の雑然と積み上がった本棚を見て「本や雑誌についても、かなりのコレクターなんですねェ・・・」言われたんだけど、本人はコレクターだなんて思った事は一度も無くてさ。ただ好きなだけで溜まってしまっているんだよね。 
 今でも書店に行くと、ついつい気になった雑誌やムック本などを見つけては買って来てしまうしさ。 

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 更に最近は神保町に有るヴィンテージマガジンのセレクトショップ「マグニフ」さんのご主人の中武氏にもお世話になって、時に希少な洋書や、その昔誰かが持ってっちゃって行方不明のままのムックや雑誌をあらためて買い直したりした事も有ったからねェ。そりゃあ増え続ける訳だよ。

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 大半は、長年買い続けた(それでも、その都度ずいぶんと処分しているんだけどね)ファッション誌なんだけど、ほかに音楽関連、洋画関連、アメリカのカルチャー関連、自分が若かった昭和の時代の風俗関連などで、本当に気に入った本や雑誌は時に服や靴と同じようにダブル買いしたりするから自宅でも仕事場でも雑誌が際限なく増殖し続ける訳だよ。バカだと思うね。

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 特にメンズのアメカジに特化したファッションに関しては、一応自分の仕事柄お客様に話したりブログを書いたり(最近サボっていてゴメンなさい・・・)する事も有るから、「元々は・・・」とか、「当時のスタイルは・・・」などと言ったり書いたりする際のある程度ちゃんとした裏付けを取る為にも雑誌の情報はとても助かる事が多いんだよね。 
 基本的にボクの記憶なんて結構いい加減だと思っているから、仮に80年頃なんて言ってもざっくりとした固まりで記憶している事も多いし、細かくは前後関係もかなり怪しいと思うからね。実際に今考えれば78年と82年じゃファッションがかなり変化していたのも事実だもん。 
 思い返せば、ちょうど30年ほど前に一時アメリカに住んで居たんだけど、その頃にまた大きく変化し始めた東京のアメカジファッションの流れ(バブルの時代に突入し、ちょうど渋カジが出て来始めた頃)が全然アタマの中でイメージ出来ないから本当に色んな雑誌が見たくてね。 
 それで住んでいたアパートの近くに有った日本人向けのスーパー「ヤオハン」の隣が「紀伊国屋書店」だったんだけど、直輸入価格にもかかわらず入荷すると誰かがすぐ買っちゃうのか「POPEYE」や「HOTDOG PRESS」なんか有ったり無かったりでなかなか手に入らなかった。だから日本からスタッフが出張して来る時にはリストをFAXで送って成田空港で雑誌を買って持って来てもらったりしていたし、中に混じっていた「BOON」なんて最初は存在すら知らなかったもんね。
 同じ頃ニューヨークに駐在していた友達は「マンハッタンの紀伊国屋では、ちゃんといつも買えたよ~」後でぬかしやがった。こちとら西海岸の田舎で苦労してたんだよ。
 ファッションを扱う日本の情報誌には、その時代ごとに流行していた(もしくは、流行らせようとしていた)アイテムやスタイリングが写真と文字で表現され、ブランドやアイテム名に加え価格は幾らでどこで買えるのかという情報と共に、更にはどういったスタイリングでどんなアイテムとコーディネートするのかという事が流行りのアクセサリーやヘアスタイルと共に分かり易く紹介されている事も多いんだよね。 
 おまけにコラムや情報ページでは、その時期に流行っていた音楽や映画、人気のテレビ番組やタレント、スポーツ選手。はたまたクルマの新車情報や旬なグルメなどが網羅されていたりするんだよ。そういった部分は現在もあまり変わらないよね。 

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 そして一番のポイントは雑誌の裏表紙の背中部分を見ると必ず発行日の記載が有る事。「当時は・・」とか「あの頃は・・」じゃ無くて、その時代のある瞬間を特定出来るという事がスゴイと思うんだね。その時代ごとに若者を取り囲む風俗の概要を切り取って、有る程度俯瞰的にイメージ出来るんだから。それも月刊誌なら毎月だし「POPEYE」なんか2週間に一回出てたんだよ。それこそ若い頃は、一生懸命お小遣いで買って毎号読み倒していたもんね。(毎号ファッションばっかりでも無かったけど。) 
 だけどボクなんかよりも年上のいわゆる団塊の世代(同居していた従兄がそうだったけど)の人達くらいになると、テレビでさえまだ若者向けの情報番組があまり無く、60年代当時のファッションや海外の情報などは更に少なかったから「平凡パンチ」なんかをそれこそボロボロになるまで隅々まで読み、そして友達と貸し借りをしたり回し読みをしたりしていたのを僕も傍で見ていたのを思い出すし、お駄賃をもらって近所の「貸本屋」さんにお使いに行かされたりもしていた。時々ボクもお駄賃が貯まると少年マガジンを借りたりした。 

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 別の従兄の家にはボロボロになった「メンクラ」が20冊くらい有って、それは中学の時に全部頂いて来たんだけど、ほとんどが表紙は外れているし、ページの端を折って有るわ、切り抜きや書き込みが有るわと、こちらもなかなかにワイルドな取り扱いを受けていた。だけどちゃんと何度も繰り返し読んでいたからなんだろうなァ・・・と思ったりするよ。
 もうずいぶん前からインターネットがもっと進化すると雑誌は世の中から無くなるかも?なんて言われていたと思うけど、そんな事無いよね?そりゃァ全盛期の「BOON」や「HOTDOG PRESS」みたいな部数を売り上げる事はもう無いだろうと思うし、中には姿を消す雑誌だって有るとは思うよ。
 だけど色々と大人の事情で出版業界が苦しい中、それでも雑誌を愛し続け、試行錯誤を繰り返しながらも制作や編集をしている人たちには本当にこれからも頑張って欲しいと思うんだよ。
 ボクも頑張って買うから・・・  
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