#L-2・・こっちもカッコいいと思うんだけどねェ

#L-2・・こっちもカッコいいと思うんだけどねェ

 やっぱり、長年アメ横で鍛えられたせいか、どうしても昔から軍モノって大好きなんだよ(基本的に米軍モノに限るんだけどね)。ところで最近は何だか女のコを中心に#MA-1(ソレ風?なんちゃって風?も含めてだけど)が大人気みたいでさ、あっちこっちでどんどん増殖して、三軒茶屋辺りですらゾロゾロ見るもんね。

 ファッションは、いつか繰り返すって言うけど、このアイテムがトップステージに上がるのは本当に久し振りだと思うよ。多分、前回の#MA-1ブームってボクの記憶では86年~87年くらいだったと思うからちょうど30年くらい前の事だもんね。ビックリだよね、もうそんなに経つの?って感じだ。 

 元々80年の暮か81年頃にスティーブ・マックイーンの”HUNTER”が公開され、その中で彼がLee #200 RIDERSの上に着用していた#MA-1が1つのきっかけでアメ横では(少なくともボクの周りでは・・だよ)ジワジワと#MA-1の人気が出始め、そしてその後アメリカでは日本に先駆けて、トム・クルーズの”TOP GUN”が公開され興行第一位という大ヒットを記録したというニュースが日本にも伝わり”FLIGHT JACKET”という言葉がファッション業界でも一人歩きし始めるようになったような気がするんだよ。 

 そんな事も有って、それまでも人気ブランドだったALPHAやAVIREXが更に注目を浴びるようになったんだよね。 

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 そしてすぐにアメリカのその余波が日本にも押し寄せ始め、ほんの少し後の確か86年にリリースされたKUWATA BANDのレコジャケが、たまたま引き金になったんだと思ったけど、ALPHAから新しくリリースされた新色ブラックの#MA-1を求めてアメ横の中田商店に朝からスゴい行列が出来た事件をついこの間の事のように思い出すよ。誰か行列の人数を数えてたんだっけかね、忘れたけど「うっそ~!」って感じの景色だった。まだネットなんて無かった時代だよ、どうやって集まったんだろうねェ?

 ちょうど去年の秋頃、知り合いのレディス・バイヤーの女性が「#MA-1って言うのが、やっぱり来るみたいですけど、玉木さん#MA-1って詳しいですか?」「おゥ、まかしとき!」なんてやっていて、古いのがボクもどこかに有るよ・・と、あちこちひっくり返して#MA-1を探していたら先に#L-2A(中綿の入っていないタイプのブルーのモノ)が出て来た。 

 相変わらずさえないルックスだねェ・・と言いつつ何だかんだと、この冬は結局会社のその辺に置きっぱなしにしていて、実は作業着代わりに着ている事が多いんだよね。そう、本当は結構気に入っていたりするんだよ。ただし#MA-1と違って、#L-2は今まで一度もブームになった事が無いんだけどね。 

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 このアイテムのカラーは#L-2Aがエアフォース・ブルーで#L-2Bがセージ・グリーンなんだよ。 

 ただ、この画像の#L-2Aは、ヴィンテージでも何でも無くて90年代に入ってから復刻版を作ろうとしたALPHA の最初の頃のサンプルだったヤツを確か輸入元のサンプルセールか何かで購入したんだよ。以降自分では結構着倒しているんだけど左上腕部のAIR FORCEのインシグニア・プリントも消えかかっていて個人的にはいい味が出ていると思っているんだけどねェ・・しかし見事に全くウケないんだよ・・着ていても誰も話題にしてくれないし。単なるポンコツにしか見えないんだろうなァ・・。

 #L-2シリーズには中綿が入っていなくて、バルーンシルエットの#MA-1(昔のオリジナルスペックのモノね)よりも細身でもっとスタイリッシュ(ボクが言っているだけね)だから、丸い膨らんだルックスに見えないし、実際に着てみると本当はカッコいいと思うよ。

 そして#L-2Aも#L-2Bもライニングがレスキューオレンジじゃ無いから、ファッション的に言うとオレンジ色がジャマにならなくてコーディネートやスタイリングが決まりやすいとボクは思っているんだよね。 

 下の画像が後日ちゃんと商品になって発売された#L-2Bで、よせばいいのに乾燥機に入れたらタテに縮んじゃってね、ありゃァ~・・の大失敗!だった。着丈が短くなっちゃったからローライズのパンツを穿くとかなりファンキーなルックスになるんだよ。参っちゃったね~・・やっちゃったよ。 

 あ、今うちの店頭に有るALPHAのデッドストックがコレと同じ93年か94年頃のアメリカ製の#L-2Bなんだよ。でも乾燥機に入れちゃ本当にダメだからね。 

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 あるフライトジャケットに関する記述を見てみるとね、第二次世界大戦中アメリカ航空軍部は、まだ陸軍の統制下に有ったんだけど(ARMY AIR FORCE)1930年代に開発され、それまで着用されていた#A-2に代わって1945年に夏用ジャケットとして採用されたのがカーキ・グリーンの#L-2だという事だった。そして1947年に航空軍部は晴れて陸軍や海軍と対等のアメリカ空軍(U.S AIR FORCE)として創設されたんだね。 

 その後1950年に勃発した朝鮮戦争の最中の1951年頃に#L-2はエアフォース・ブルーの#L-2Aと進化し1952年から1954年にかけてアメリカ空軍は更にフライトジャケットのモデルチェンジを行い、それまでのエアフォース・ブルーからグレーがかったグリーン(セージ・グリーン)を採用し、この時に誕生したのが#L-2Bだったそうだよ。 

 一方#MA-1は、プロトタイプの#B-15 MODというのが存在はするのだけど、#MA-1というコードネームで誕生したのは折しもジェット時代のアメリカ空軍を象徴する戦略爆撃機#B-52の誕生と時を同じくする1952年からくらいだと言う事だった。 

 だから#L-2の方が少しお兄さんなんだね。 

 だけど、60年以上前に開発された軍服が今現在もアメカジのスタンダードとしては勿論の事、レディスのトレンドアイテムとして、やおらトップステージに登場したりする事がスゴいと思わない?ファッションって本当に奥が深いよね・・・